マギ第二十二巻から第二十三巻まで

大高忍『マギ』第二十二巻から第二十三巻まで。
第二十一巻からは「新章」に入っていたが、第二十三巻カヴァーによれば、それは「アルマトラン」編。それは遠い過去の、別の世界の物語。アラジンが聖宮においてウーゴの導きによって知り得たソロモンの歴史。それを今、アラジンは、魔法によって映像化して人々に見せている。
場所は、マグノシュタットに近い無人島に設けられた七海連合と煌帝国の会談の場。そこにはシンドバッドと八人将をはじめシンドリアと七海連合の人々、練紅炎とムー・アレキウス率いるファナリス兵団をはじめ煌帝国の人々、そしてアリババとモルジアナと仲間たちが集結していた。
そこへ、ユナンに先導されてアラジンとティトスが出現した。アラジンは四人のマギがここに揃うことを期待していたが、生憎、ジュダルは来ていなかった。ジュダルだけではなく、煌帝国の主な面々は練紅炎と練紅明の他には誰も、練紅覇も練紅玉も練白瑛も練白龍も来ていなかったらしい。
しかし練紅炎と練紅明を除く練氏の兄弟とジュダルこそ不在であるとはいえ、シンドバッドをはじめ重要な顔触れが一堂に会した希有な場面で、アラジンはユナンの力を借りながら、ウーゴに導かれてソロモンの知恵によって知り得た世界の真相を明らかにし始めた。アルマトランの真実を人々に明らかにすることはソロモンによって禁じられていたが、アラジンは、今ここに集結している人々の強さを信じて、「この世界の「神」に背く」ことを決意した。
こうして語り出されているアルマトランの物語。ソロモンの神話。
マギの物語の重大な真相であり、第二十三巻の時点でも半ばが明かされたに過ぎないと見える。それにしても、アラジンは幼少期のソロモンにも似ているが、ソロモンと結ばれたシバにはもっと似ている。そして特別な知恵によってソロモンを支えていたのがウラルトゥーゴ・ノイ・ヌエフ、愛称ウーゴだった。