このところ没頭してきた結果ようやく見えてきたこと

 大正期に活躍した或る閨秀は悲恋の人として語られてきたが、詳しく調べてみた結果、その人にとって異性との交際は重大ではなかったとしか思えなくなってきた。悲恋の人という伝説は結局、女性の「友情」なんて思いも寄らなかった人々の願望であり、さらには悲恋の相手方の欲望だったのではないか。