狙われるネコ2世と狙う忠臣ゾン・ビー・C(チョッパー)/イナホとUSAピョンの運動会とそれを目撃するケータ/ウィスパーの内面の天使と悪魔の調和

 ニコニコ動画の「テレビ東京あにてれちゃんねる」(http://ch.nicovideo.jp/ch7)内の「妖怪ウォッチ」公式チャンネル(http://ch.nicovideo.jp/youkai-watch)で配信された第百九十話を視聴。
 一。
 バスターズトレジャー編第十一回「ねらわれしネコ2世」。
 今回は全員集合。「大大大冒険家のインデイさんズラ」ことインディ・ジョーズとジバニャンとコマさんの一行がトジコメール遺跡に到着したところで、ジバニャンの駱駝に車を曳かせていたネコ2世も合流。そしてネコ2世に嫌な気配を感じさせたのが、今やストーカーのようにネコ2世を見守り始めたらしい冒険家ゾン・ビー・C(チョッパー)。最初からゾン・ビー・C(チョッパー)を同行させておけば全て率先して罠にかかってくれるのに。
 最悪なことに今回はインディ・ジョーズが罠にかかったのをネコ2世が嘲っていたとき、ネコ2世が罠にかかろうとしているかと勘違いしたらしいゾン・ビー・C(チョッパー)がネコ2世を守ろうとして飛び掛かってきて、却って主従一緒に罠に完全に落ちた。
 しかし今回の真に最悪な展開はそのあとに来た。ゾン・ビー・C(チョッパー)は生前、ネコ2世の傳役だったとき、その手の傷を舐めて治したことがあった。そのことを思い出したゾン・ビー・C(チョッパー)は久し振りにネコ2世の手の傷をレロレロ舐めようとし始め、ネコ2世が悲鳴を上げたところで話は終わり。
 二。
 イナホの妖怪大運動会事件。
 冒頭にはケータが登場したが、主人公はイナホとUSAピョン。そしてイナホの同級生のキララ。
 ケータとジバニャンとウィスパーの物語の良さは、ウィスパーとジバニャンも含め、妖怪たち一人一人に遭遇し、妖怪によって発生した問題や妖怪に発生した問題を解決して友達になるまでの過程を一々積み重ねてきたことの厚みにある。そしてイナホとUSAピョンの物語が残念であるのは、そうした過程を一掃して、あたかもあらゆる妖怪たち皆が最初から友達であるかのように前提してしまっていることの浅さにある。関連して云えば、イナホの物語では妖怪よりも人間の方が強烈であると設定される。今回も、キララの側近二人組の異常性が際立っていて、妖怪よりも妖怪らしく見えた。
 とはいえ良い点もないではなかった。それはイナホの学校生活がそれなりに描かれたこと。そしてそれが隣の学級のケータの眼にはどのように映るのかをも描き添えたこと。もっとも、そこにウィスパーが不在であるのは不自然だったろう。
 三。
 妖怪センポクカンポク事件。
 古典妖怪のセンポクカンポクは、悩める妖怪を正しく導くため、その妖怪の内面の天使と悪魔を呼び出して話し合わせ、何れが選択されるべきであるかを見極めさせる。
 しかしウィスパーの場合、その内面の天使と悪魔は実は全く対立していない。そしてウィスパーは、ケータから未知の妖怪について訊かれるとき、何の知識もなくとも妖怪パッドで検索できるから問題ないと考えていることを暴露された。さらには、ケータが未知の妖怪について一々訊いてくること自体を、ウィスパーは実は鬱陶しいと感じてさえいたことをも暴露された。