旅行記三/出張仕事のあと有栖川宮記念公園で少年の彫刻二躯を観る/再び国立新美術館/安藤忠雄展の行列/日展の彫刻/新海誠展の休憩所のメッセージ掲示板/神田のホテルへ移動

 旅行記三。
 昨日までは休日で、今日からは出張。それに伴い、宿泊先も移動。
 ゆえに朝八時半頃にホテル一階の食堂で朝食を済ませたあと荷物をまとめて宿泊先を引き払い、蔵前駅から上野御徒町上野広小路駅を経て神田駅へ。神田のホテルへ大きな荷物だけ預けて再び神田駅へ戻り、秋葉原駅へ移動。ヨドバシカメラAkibaで三脚用バッグを買い、日比谷線秋葉原駅から広尾駅へ。コンヴィニエンス店でサンドウィッチと珈琲を買い、有栖川宮記念公園のベンチで昼食。そして昼一時には仕事の現場へ。
 今日の仕事には困難があるかと予想していたが、準備を整えて臨んだからか呆気ない程に快適、快調に進行し、わずか四十分間程度で完了してしまった。あまりにも早く仕事から解放されてしまい、少なからず戸惑いながら再び公園で休憩。
 有栖川宮記念公園内に円形の広場があり、その中央には近代彫刻の巨匠、舟越保武の「笛吹き少年」が建立されてある。しなやかな体型が美しい少年男子のヌード表現。そこから日本庭園へ向かう途上に建立されてある少年男子の銅像は着衣の姿を表し、台座には「僕は少年新聞や」の詩が刻される。云わば新聞少年の像。「新聞を配る少年保護育成の会」が昭和三十三年五月三十日に建立した由。像の土台の側面には「1958響子」の署名があるから、彫刻の作者は巨匠、朝倉響子か。さらに進んで、日本庭園を散策。
 公園を出て広尾駅へ。日比谷線の電車に乗れば、広尾駅の次は六本木駅
 それで再び国立新美術館へ。二日前に使用したコインロッカーへ今日も荷物を預け、二日前に購入した入場券を用いて安藤忠雄展を鑑賞。しかし大変な混雑で、まともに鑑賞できる状態にはなかった。会場内には安藤忠雄自身が来ていて座談会を開催していた。会場を出る前に図録を購入しようとしたところ、座談会のあとサイン会に参加するため図録を買い求める人々が長蛇の列を成し始めていて、その影響で行列に並ばなければならなくなった。サインをもらう意がなかったので購入し終えたら直ぐ会場を去ることを得たが、サインを求める人々は図録購入の行列のあとサイン会の行列にも並ばなければならなかったようで、実に大変。
 三時四十分頃、次には「日展」の券を買い、日本画部の会場を一周したあと彫刻部の会場へ移動。今回は休憩所にも一部の作品が展示されていて、内一つが土本周平「torso.3」。ベルヴェデーレのトルソのようで力強い。準会員、徳安和博「ペルセウス」は格好良い。同じく準会員、牧田法子の「Torso2017」は実に無駄なく美しい体型を表している。会員、亀谷政代司の「戦士」は流麗で優美。特選、横山丈樹の「双樹Ⅲ」も見応えある作品。今回も楽しめた。
 ところで、二日前、この美術館で「新海誠展」を鑑賞した際、入口で配布されている出品目録を受け取ることを得ていなかった。インターネット上ではその目録の情報量の充実が話題になっていたので、是非とも入手しておきたいと思い、会場の入口へ行って事情を説明してみれば直ぐに頂戴することを得た。感激した。
 感激した序にもう一度鑑賞しておきたくなったので、館外の券売所へ戻って入場券を買い、再び会場へ入った。オープニング・ムーヴィーを改めて鑑賞し、会場内を巡った。先日は休憩所を見逃してしまっていたが、インターネット上の情報によると、この休憩所に設置されているメッセージ掲示板には新海誠監督と神木隆之介のメッセージが掲示されている由だったので、今回はそれを確り観ておいた。自分自身もメッセージを残しておいた。「言の葉の庭」の章では、展示室の上方には光で降雨の風情が演出されていた。前回は気付かなかった。そしてクロージング・ムーヴィーを三回ばかり繰り返し観た。何度か涙が出そうになった。出口とグッズ売場の合間のフォトロケーションでは今回、写真展「郷愁」の糸守町風景写真展示の全貌を撮影できた。さらに、「言の葉の庭」の庭園を背景にした合成写真の撮影も試してみた(iPhoneには保存しておいた)。そして土産にすべく図録をもう一冊購入してから会場を出て、眼前のレストランの様子を撮影。このレストランが「君の名は。」における立花瀧奥寺ミキのデートの会場であるのは云うまでもない。まさしく「聖地巡礼」気分も味わい得た。
 こうして大いに満足して国立新美術館を退出し、地下道で日比谷線六本木駅へ行き、銀座駅で乗り換えて銀座線の神田駅へ。神田のホテルに入ったのは夜七時頃。宿泊室は高層階にあり、窓から見える景色も良い。疲れたのでホテル一階の食堂へ行き、チキン南蛮丼で夕食。チキン南蛮と云えば宮崎だが、近所のコンヴィニエンス店へ行けば、売っている水も宮崎の霧島の水だった。
 普段、家ではテレヴィを点けないが、ホテル宿泊時には大体テレヴィを点ける。今宵、東京MXでは「俺癒」を放送していて、ナレーションが斉藤壮馬。途中、斉藤壮馬の浴衣姿も観た。軽井沢旅行をしている声優三人の内、真中に座して蕎麦を食べていたのは羽多野渉だった。