ピアノの森第七話

 未明(日曜の深夜)のNHKテレヴィアニメ「ピアノの森」。第七話「再会」。
 物語は一気に五年後へ。海外で苦悩していた雨宮修平は、その苦悩の原因でもある最愛のライヴァル、一ノ瀬海に会うため帰国。しかし、かつて彼の住んでいた「森の端」からは彼の痕跡がなぜか消されていた。輝かしい道を歩み始めた彼の経歴に傷を付けないように庇おうとして「森の端」の仲間たちが皆で彼の痕跡を消していたからだったが、同時に、便利屋のベンは(そして恐らくは皆が)雨宮修平を彼の最も大切な友と知っていて、再会は叶った。一ノ瀬海も再会を喜んだ。美しく逞しく成長していた彼は、阿字野壮介の後見を得ながらも、それ以上に想像を絶する努力を重ねていた。
 一ノ瀬海はピアノを弾くことを「心を清浄に戻す時間」と感じ、かつての自身にも似た大貴少年にピアノを弾く喜びを教えていた。大貴は嫌な連中に虐められていたが、ピアノを弾くことで救われていた。そして今、大貴少年は雨宮修平に「心を清浄に戻す時間」を教えた。留学先でピアノを弾けなくなっていた雨宮修平は、大貴の作曲した「奴等に捧げるバラード」を教わることによって再びピアノを弾けるようになった。
 大輝少年は、雨宮修平に遭遇して「奴等に捧げるバラード」を教えたときは元気だったが、ピアノを弾いて泣き出した「弟子」の苦悩を察するや、「心を清浄に戻す時間」を与えるため静かに独りにしてあげていた。意外に繊細で優しくて、そこが良い。
 今回から声優も交代。一ノ瀬海は斉藤壮馬。雨宮修平は花江夏樹へ。そして大貴少年を演じたのは小林由美子。流石、元気で楽しい少年だった。