ムラシロ/エノホリック榎木淳弥と村瀬歩/堀越耕平著ヒロアカ第六巻/Free!第三期第十話における橘真琴の進路変更をめぐる騒ぎ

 昨夜のこと。
 文化放送A&Gオンデマンド配信サイト「AG-ON Premium」(エジオンプレミアム/agonp)で九月十日配信されたレイディオ番組「村瀬くんと八代くん(ムラシロ) 私たちまだ死にたくない」(murashiro)を聴取。
 このラジオ番組を初めて聴いた人には、どこへ向けて何の話をしているのか解らない時制になっているのではないか?という村瀬歩の発言。そして最後、サブタイトルは「あれがあれでそうなった」「わたしはまだ群馬を知らない」に変貌。
 今回もリスナーから「エノホリック」に関する報告あり。榎木淳弥村瀬歩との食事会について語っていたという話。村瀬歩との食事会を楽しみにしていた榎木淳弥は、会の席上、村瀬歩に「俺たち友達かな?」と尋ねたら、笑顔で「友達だよ」と云われ、大いに感激したらしい。さらには村瀬歩の魅力について榎木淳弥堀江瞬の両名が大いに語り合ったとのことだが、どういうわけか八代拓の話題はなかった模様。番組の最後、二人の気持ちがバラバラになっていると感じたと云い出した村瀬歩に、八代拓は「なんで?だからエノホと行ったの?ごはん」と悲しんだ。
 八代拓がヴィムスで最も頻繁に食事をともにする相手は村瀬歩であると発言。これは意外。野上翔ではなかったのか。そう考えると、「翔福翔来」で野上翔千葉翔也と二人組になってしまったことの被害者は、実は八代拓であるのかもしれない。
 そして今朝。
 NHK朝ニュースの「朝ごはんの現場」。ナレーターは堀江瞬徳川時代以来の工芸「箱根寄木細工」の職人の家の朝食。ベーコンと野菜の味噌汁や出汁巻玉子を寄木細工の器に盛る。
 それにしても、ここ二日間も見逃し続けていた「朝ごはんの現場」では、ここ二日間ともに堀江瞬がナレーターをつとめていたらしい。「ムラシロ」のライヴァル番組「エノホリック」の堀江瞬。その声は心地よかった。
 ところで。
 堀越耕平著『僕のヒーローアカデミア』第六巻。
 オールマイト先代の盟友グラントリノ。この仙人のような賢者の下で職場体験という名の修業に励み、力の出し方を会得しつつあった緑谷出久は、実地訓練の途上、飯田天哉と凶悪な敵ステインの決闘の場を察知し、救助のため早速その力を発揮しようとしていた。やがてそこへ彼の応援要請を解読できた轟焦凍も駆け付け、緑谷出久轟焦凍の熱い共闘が始まった。
 ところで。
 今週水曜に視たテレヴィアニメ「Free! -Dive to the Future-」(Free!第三期)第十話について補論。
 インターネット上の一部には不満の声が上がっているらしいが、その不満の方向が出鱈目なことになっている模様。橘真琴が子ども相手の水泳のコーチよりも水泳選手(というよりは七瀬遙)のためのトレイナーを志し始めたこと、この志の変化それ自体への不満を叫んでいる連中が一部に現れているらしいが、これは橘真琴の存在感を警戒する邪悪な一派の工作活動の類でしかない。不満を述べるべきはそこではない。
 現行の第三期「Free! -Dive to the Future-」は第一期、第二期が生じた深刻な負債を拒否しようともせず継承していて、その路線を受け容れる限り、第十話における橘真琴の新たな選択は、この負債を軽減して物語の行方を少しでも健全化しようと考えるなら必然であり、肯定できて、歓迎できる。しかし第一期と第二期から続く路線を、敢えて受け入れないという選択肢、拒絶して変更するという選択肢もあり得るということを忘れてはならない。なぜならこれは現実世界ではなく物語世界であるから。架空の世界は、どのようにも書き直され得るのであり、ことに出来の悪い作品は、もっと出来の良い作品に直されて然るべきだろう。物語世界内の時間軸上、「ハイ☆スピード!」のあとに「Free!」の第一期と第二期、第三期が続くのであるから、最も完成度の高く説得力ある作品だった「ハイ☆スピード!」を基準に据え、そのあとには一体どのような物語が続き得るのかを考えるなら、中学一年生の七瀬遙は些細な理由で水泳部を辞めるはずがなく、高校三年生の橘真琴も些細な感傷によって競泳を辞めるはずがない。ゆえに本来、第三期は第一期と第二期の誤りを訂正して、路線を盛大に変更して然るべきだった。しかるに生憎、現行の第三期は第一期と第二期を全体としては肯定し、むしろ「ハイ☆スピード!」を多大に損傷させる格好で制作されている。その点で第三期は全体としては肯定し難いが、それでもなお、いくらか第二期の誤りを微調整しようと試みてはいることも感じられる。中でも最大の修正点が、第十話における橘真琴の新たな選択、新たな志の表現に他ならない。そこは肯定できて歓迎できるとはいえ、所詮この進路変更は妥協策でしかなく、不満があるとすればそこにある。