危機

それにしても。ジャニーズにアイドル集団の数ある中で二〇〇三年九月十五日結成「NEWS」程によくない話題に多く見舞われるのは従来なかったろうと思われる。とはいえ昨年夏の事件と今回の騒動を比較するなら、形式的な問題は同一でも実質的な問題が違い過ぎること三点に気付く。第一に、前回の事件について謝罪の行われたあとの今回の事件であること。しかも第二に、前回と違い今回は、社会的に高い地位と名声を有する年上の者が唆したわけではなく、当人が自ら進んで行動したと見做されていること、しかも相手が同じく未成年であること。これら二点において未成年アイドル当人に同情の余地がない。だが、同時に第三に、前回と違い今回は誰か(例えば近所で騒がれたとか自家用車を蹴られたとかの)被害者が出たわけではなく、第三者による盗撮によって事が発覚したこと、しかもその盗撮が実に確実に実行されていると認められること。以上の中、特に後者二点に鑑みるなら、某勢力による陰謀ではないのか?との説にも充分に肯けるものがある。確かなのはジャニーズの所属ということが今や決して絶対的な「安全地帯」ではあり得ないということだ。ことに、あの話題作りのためなら手段を選ばない卑劣なアイドル団の強面事務所がジャニーズを圧迫しつつある現在、いかなる油断も命取りになるだろうことを、ファンもまた心得る必要があるのだろうと思う。甚だ不幸なのは、そうした現状でもなお世間がジャニーズを弾圧する側と誤解していることだ。真相は逆であるのに。これには仕方ない面もある。世間はジャニーズの存在を確と認識している反面、それを弾圧する側についてはその存在自体を全く知らないからだ。ブランド化の大成功が己の首を絞めているわけだ。まさしく未曾有の危機と云わざるを得ない。