NHKみんなでニホンGO-輪唱問題

夜十時からのNHK総合「みんなでニホンGO!」の第五回。
現今の病院における「患者様」という奇妙な表現が、役所であれ学校であれ病院であれ政治以外の全ての仕事をサーヴィス業として捉え直す好景気時代の風潮のあと、それをさらに推し進めようとした「聖域なき構造改革」の中で生じてきたものであり、しかるに病院が患者を単なる顧客として扱うことによって却って病院と患者との間の信頼関係を損ねることにもなってきていることが明らかにされた。
また、居酒屋等でも盛んに行われる従業員一同による「いらっしゃいませ」の輪唱の是非も論議されたが、面白かったのは東京の老舗の蕎麦店における「いらっしゃい」の輪唱が、文字通り歌うような、或いは雅楽のような優美な調子を持っていたこと。実に素晴らしかった。想起するに、かつて豊田市へ出張したとき昼食のため入った蕎麦店で、まさしく歌うような調子の「いらっしゃい」の輪唱で迎えられ、店を出るときには、同じく歌うような調子の「ありがとう存じます」の輪唱で見送られたものだったが、なかなか面白く心地よかったと記憶する。