仮面ライダーオーズ第二十七話=仮面ライダー第九九九回

東映仮面ライダーオーズ/OOO」。
第二十七話「1000と映画と戦闘員」。
昭和四十六年(一九七一)四月三日にテレヴィ放映が始まった「仮面ライダー」は今週の「仮面ライダーオーズ」第二十七話で通算九九九回、次週で一〇〇〇回を迎える。これを記念し今後ますますの発展を祈念して今週と次週との二話にわたり仮面ライダー放送一〇〇〇回記念企画の特別編。
特別編の話としては、このドラマの登場人物が総出で一〇〇〇回記念の映画を製作するという何だか自己言及的な喜劇が展開されているが、その間も、このドラマ本来のドラマが同時並行して進行しつつある。
さて、特別編の話は、鴻上財団会長の鴻上光生(宇梶剛士)が一〇〇〇回記念の映画を制作することを思い付いたところから始まった。監督にはなぜか伊達明(岩永洋昭)を起用して全権を委任した。伊達明監督は主人公の仮面ライダー役に火野映司(渡部秀)、悪役のショッカーの元首の役にはアンク(三浦涼介)を起用したが、実際には、鴻上光生が火野映司とアンクに映画制作への協力を命じた時点で既に彼等の役割は決定していたとも云える。全権を委任された伊達明は普段以上に楽しそうで快調で、カメラマンに鴻上生体研究所のドクター真木清人神尾佑)と人形「キヨちゃん」を起用するという離れ業までもやってのけた。
映画制作の現場における見所は、かつて女優志望だったという多国籍料理店クスクシエ店長の白石知世子(甲斐まり恵)と、白石知世子に亡き姉の面影を見るドクター真木清人&人形「キヨちゃん」が有能で勢いがあったのに対して、後藤慎太郎(君嶋麻耶)が何をやっても駄目だったこと。その駄目さ加減は輝かしい程だった。
天敵のアンクから「そんなんだから、おまえは駄目なんだよ」と罵倒されても反発することもできないまま落ち込んで「世界を守るはずの俺が、映画さえ守れないなんて」と悲しんでいた。
そんな後藤慎太郎も、後半の、本来のドラマにおける仮面ライダーオーズ&バースとヤミーとの戦闘では、苦戦していたバース=伊達明のために見事な援護射撃をする活躍を見せた。ショッカー科学者や死神大使の格好をして落ち込んでいた後藤慎太郎と、爽やかなジャケットを着てバイクにまたがり銃撃する後藤慎太郎との落差も今朝の見所の一つだろう。