仮面ライダーフォーゼ第二十九話

仮面ライダー生誕40周年記念作品「仮面ライダーフォーゼ」。
第二十九話「後・輩・無・言」。
天ノ川学園高等学校の新入生である黒木蘭(ほのかりん)と、黒木蘭を唯一の友にしていると同時に恐らくは黒木蘭の唯一の友である草尾ハル(荒木次元)の眼前、如月弦太朗(福士蒼汰)がフォーゼに変身した場面は、全校生徒の友になりたいと宣言するこの奇妙な上級生がその宣言にどのような思いをこめてどのように実践しているかをも顕現する瞬間であり得るという意味で、颯爽と格好よかった。この場面に先立つメテオの出現の場面も、朔田流星(吉沢亮)とメテオに特別な好意を抱き始めている様子の野座間友子(志保)をメテオ=朔田流星が、虫ゾディアーツに変身した草尾ハルの暴走から助ける格好になって、白馬の騎士のようで格好よかった。
これまで物語に何一つ大した役割を担ってこなかった天ノ川学園高等学校教諭の大杉忠太(田中卓志)が今朝の話では物語に大きな影響を及ぼした。一つは、如月弦太朗等の放課後の行動までも監視下に置こうとして、その結果として、仮面ライダー部とフォーゼの活動を制限したこと。もう一つはさらにそのことの結果として、ついに仮面ライダー部の活動拠点「ラビットハッチ」の在り処を知るに至ったこと。このことが今後の物語にどのように作用するかは次週の第三十話で明らかにされるだろう。
しかし、もっと直接の、即効性の高い影響として、大杉忠太が如月弦太朗の行動を意味もなく制限することによってフォーゼの出動が遅れ、その間、メテオの華々しい活躍の場が作られたということが挙げられる。多分、番組制作者の側にとって大杉忠太の暴走は、フォーゼを過度に貶めることなくメテオに華を持たせるための理由になり得るわけだが、ことによるとその理由は次週にも解消するのかもしれないのだ。