仮面ライダードライブ第二十三話

平成仮面ライダー第十六作「仮面ライダードライブ」。
第二十三話「悪戯な笑みを止めるのはだれか」。
ドライブに変身する警視庁特状課巡査、泊進ノ介(竹内涼真)は謎の連続爆破予告事件の犯人と思しい人物を発見したが、その人物、茂木拓郎(武子直輝)が警察署内で取調を受けていた間に、四度目の事件が発生。ロイミュードと人間との間の関係の仕方が多岐にわたるからこそ、刑事の捜査の出る幕があり得る。謎の解明には次回を待たなければならないが、次週には「手裏剣戦隊ニンニンジャー」とのコラボレイションによる一時間の特別篇があるようで、次回は来週ではなく再来週。そして次週分の録画予約の設定には気を付ける必要がある。
今回は他にも重要な変化を二つ見た。
一つは、マッハ=詩島剛(稲葉友)が焦り始めたこと。泊進ノ介のドライブが謎の科学者ベルトさん(声:クリス・ペプラー)や特状課客員研究員の沢神りんな(吉井怜)からの万全の支援を得てどんどん新たな戦力を獲得してゆく中、どんどん差をつけられてマッハの力不足を痛感し始めた詩島剛が、いつになく嫉妬し、焦り、満々だった自信を失って卑屈にさえもなっていた。しかし確かにその兆候は、前回、彼がドライブとマッハとの関係を「ライヴァル」と形容した時点で既に表れていた。その精神状態が何を生じるのか、何によってどのような展開を見せるのかについても、再来週以降を待つしかない。
もう一つは、ブレン(松島庄汰)の反撃が功を奏したこと。それによってロイミュード幹部衆における力関係に微かな変動が生じた。その契機は、前回の話における魔進チェイサー=チェイス上遠野太洸)の敗北、消滅に他ならない。「友達」とともに生きることを願っている首領ハート(蕨野友也)は大切な友であるチェイスの死を悲しみ、ブレンも一緒に悲しんでみせたが、メディック(馬場ふみか)は悲しまなかった。それどころか、ブレンがチェイスの死の原因としてその本来の使命の回復による迷走を想定し、原因を作ったメディックの工作の甘さをさり気なく指摘したのに対し、メディックはブレンのこの挑発に煽られてしまったのか、チェイスをそもそも「約束の数に入らぬ男」と呼び、そのような者の死なんか何も悲しむには値しないとまで断言してしまった。ハートの熱い心がこのような冷たい理屈に共感するはずがない。メディックとハートとの間に築かれつつあった盤石の信頼関係を、少なくともこの瞬間、ブレンは揺るがし得たのだ。
しかもブレンは、ドライブによって倒されながらも辛うじて消滅を免れた連続爆破予告ロイミュードのコアを妖怪パッドに保護してみせた。次回には復活させるのだろう。
ところで。ドライブに敗れて雨の中、路上で苦しんでいたチェイスは、それを偶々発見した特状課巡査、詩島霧子(内田理央)によって密かに保護されたが、匿った場所は意外にも自宅ではなく空きビルの一室だった。病室のような個室で、多分、かつてそのビルは病院だったのだろう。チェイスを敵視する詩島剛は実姉の詩島霧子とは同居していないが、それでも、自室に匿えば弟に発見される恐れがあると詩島霧子は用心したのか、それとも流石の詩島霧子も、人間を襲ったこともあるロイミュードに警戒したのか、それとも、単に異性を家に上げること自体に違和感を抱いたのか。