みんな昔は子供だった

フジテレビ系ドラマ「みんな昔は子供だった」。国仲涼子主演。第五話。
今宵のは面白かった。無愛想な少女モモ(伊藤沙莉)が佐上柾(瑛太)に恋心を抱いたのだ。忍んでも色に出るのが恋心である以上、モモの異変は同級生に悟られて話題にされ、そのことがもともと無愛想なモモの心をさらに頑なにしてしまった。おまけに柾の初恋の相手だった旗ゆかり(白石美帆)が俄かに柾に接近し始め、そのことがまたモモの胸中に嫉妬の炎を燃え上がらせた。でも彼は、少女の無愛想な表情の奥に隠された激しい女心に気付かなかった。そして恐らくは今なお気付いていない。ここに成立しているのは恋愛ドラマの典型的な「三角関係」ではあるが、それが面白いものになり得たのは、それを構成する三人の登場人物のうちの一人が山村留学中の小学生の少女であること、そしてその少女の想いの相手が山村留学生の宿泊所の管理人・世話人であることにある。彼はもともと小学校教員志望だったこともあってか少女には(そして他の生徒たちにも)徹底的に優しいし、柔らかな人柄であり頼りになる大人でもあり、おまけに地味ながらもサワヤカな男前でもあるから、少女が惚れ込んでしまうのは無理もない。でも、そこにあるのはどこまでも保護者としての愛でしかないのだ。