女王の教室

日本テレビ土曜ドラマ女王の教室」。遊川和彦脚本。大塚恭司演出。制作協力は日活撮影所。天海祐希主演。第四話。
教室の女王、阿久津真矢(天海祐希)は正しいだろうか。確かに主張はどこまでも正論だろうが、やっていることは教室の子供たちの邪悪な性状を目覚めさせているだけだ。正論に基づいた冷酷な「教育」によって馬場久子(永井杏)や佐藤恵里花(梶原ひかり)は何を学び得ているだろうか。阿久津真矢に隷従し忠誠を誓った連中は何か一つでも成長しているだろうか。強いて云えば、阿久津真矢に抵抗し続けて馬場久子や佐藤恵里花に苛められている神田和美志田未来)のみは大いに学んでいるのかもしれない。人間の醜さ、恐ろしさを。だが、阿久津真矢の狙いは神田和美一人に悟りを開かせることではないはずだ。今宵のこの第四話の時点で女王の教室は結局は世間を満たしている凡庸な連中を大量生産しているに過ぎない。天童しおり(原沙知絵)みたいな中途半端な教師に説得力がないのは云うまでもないが、阿久津真矢もまた現時点では失敗しているのではないだろうか。