ドラゴン桜

TBS金曜ドラマドラゴン桜」。阿部寛主演。三田紀房原作。秦建日子脚本。塚本連平演出。制作MMJ&TBS。第六話「英語対決!勝負だバカ6人」。
今週もまた桜木建二(阿部寛)の名言が出た。「情報は力だ!」。桜木の招いた英語講師、フィリピンパブで働いている川口洋(金田明夫)は、フィリピンパブで実用される程度の基礎的な英語を身に付けていれば東大に合格できると主張し、エアロビを交えた授業で、英語の恋歌に合わせて体を動かすことで平易な語彙や構文を龍山高等学校「特進クラス」の六人に身体で記憶させた。「東大英作文の採点は減点法」であるということを踏まえての方針だった。川口が軽薄に見えていた指導方針の奥にある深遠な意図について明かしたのを受けて、桜木は大演説を展開した。
「情報は力だということだ。知るか知らないか、たったこれだけの違いで有利か不利かの差ができる。東大英作文の採点が減点法であるということを、知ってる者と知らない者とでは実力以上に大きな点差が付く。つまり知らないということは実に恐ろしい。これと同じようなことが世の中では毎日のように起こっている。人は生まれてくるとき、己の環境を選べない。周りを取り巻く環境によって有利か不利かの差は歴然だ。テレヴィもなく、ロクに学校にも行けず、正しい情報もロクに入らない、世界の貧しい生活を強いられている国の人間たちに比べ、お前らがどれほど有利なところに立っているか、それを無駄にするな!いいか、情報を集めて有利に戦う。出たとこ勝負を繰り返していては、必ず負ける。受験ていうのはな、いわば世の中の縮図だ。だから勝て!受験に勝つことで社会に勝つ道も切り拓かれる」。
そして翌日の、東大の過去の入試問題を用いての対決。減点法のルールを踏まえて平易な語彙と構文だけで挑んだ龍山高校「特進クラス」の矢島雄介(山下智久)・水野直美(長澤まさみ)・奥野一郎(中尾明慶)・緒方英喜(小池徹平)・香坂よしの(新垣結衣)・小林麻紀(サエコ)が、龍山高校で唯一の優等生、帰国子女の栗山祥太(橋爪遼)に勝利したのは当然だった。秀でた者は己の秀でた能力によって躓き得るのだ。なお、川口講師の教育方針の合理性・合目的性について、他の各教科講師陣、柳鉄之介(品川徹)、阿院修太郎(小林すすむ)、芥山龍三郎(寺田農)が明快に解説したところが面白かった。