新科捜研の女

テレビ朝日系-木曜ミステリー「新・科捜研の女」。沢口靖子主演。第八話「15年前の鑑定ミス!?マリコの父が殺人犯」。あの数年前の、学界・教育界を震撼させたばかりか日本の恥を世界に晒した考古学捏造事件のパロディではあるが、話は単純ではない。このドラマにおける「捏造」とは、新発見の捏造という事件そのものを捏造した事件に他ならなかった。また今回は科学捜査研究所=“科捜研”の法医学研究員、榊マリコ(沢口靖子)の母(星由里子)が登場。研究所長であり榊マリコの父でもある榊伊知郎(小野武彦)の十五年前の辛い仕事の記憶をめぐり、夫婦の絆と父子の絆が描かれた。それは十五年前に捏造の汚名を着せられた挙句に殺害された考古学者、小山内(小倉一郎)と一人遺された夫人の小山内加世(左時枝)との間の絆を描いた上に添えられたものだったとも云える。なお、京都府警察本部刑事部捜査第一課巡査の木佐貫直巳(森本亮治)には今宵も出番が多かった。