今朝のファイト岡部聖也

今朝のNHK朝の連続テレビ小説「ファイト」。何だかとんでもないことになりつつある。先ず気になるのは、主人公の木戸優(本仮屋ユイカ)は、大親友の黒木里夏(垣内彩未)の片想いの相手がプロ級カメラマンのヲタク美少年、岡部聖也(三浦春馬)に他ならないことに全く気付いていないのだろうか?という問題だ。気付いていないのであれば鈍感に過ぎると云わざるを得ないが、もし気付いているのであれば邪悪に過ぎると云わざるを得ない。里夏は岡部に片想い。でも岡部は昔から優ばかりを見詰め続けている。優の真に愛する相手は今なお品川太郎(瀬川亮)だが、太郎がなかなか相手にしてくれなかったので岡部で妥協し、岡部との両思い状態を演じてはいる。岡部の恋人役を熱心に演じようとしているのはむしろ太郎への思いを自身の中で何とか誤魔化して忘れ去りたいからに他ならない。太郎への思いが募るからこそ岡部に接近しなければならなくなるのだ。まさしく「好きな男の腕の中でも違う男の夢を見る」状態か。魔性の女、ファム・ファタールか。恐ろしい女だ。しかも岡部は優のそんな心境に気付いているようなのだ。彼は今とても悩んでいる。苦しいだろう。寂しいだろう。優への愛と太郎への優しさから岡部が自ら身を引く道は明確に見えてきている。
それにしても群馬競馬場の廃止に伴う村上厩舎の閉鎖により太郎は路頭に迷うことになる。もしあのとき予定通り競馬学校へ進学していたら今こんな不幸には見舞われなかったろうに。そういった意味でも、優は致命傷の女(ファム・ファタール)=男を破滅させる女であると云えよう。朝から斯くも濃厚な話を放送してよいのだろうか。