大奥・華の乱第1話

フジテレビ系ドラマ「大奥・華の乱」。浅野妙子脚本。林徹演出。フジテレビ&東映制作。内山理名主演。第一話。通常は夜十時から一時間放送のところ初回のみ十五分延長。
大好評フジテレビ「大奥」シリーズの第三弾。元来このシリーズは時代劇の姿を借りた夜の「昼ドラマ」ではあるが、昨年末の「大奥・第一章」の場合、少なくともその前半には春日局松下由樹)と江与(高島礼子)との抗争が描かれ、時代劇・歴史劇としての建前がないわけでもなかった。その点、今年のは完全に夜の「昼ドラマ」路線を暴走中であると見てよい。もはや時代劇ではないと云うも過言ではない。そこに一点の曇りもなく清々しくもある。
一応は少々苦言を呈しておきたい。牧野成貞(平泉成)が柳沢吉保北村一輝)の部下みたいになっていたのは解せない。徳川綱吉谷原章介)の横暴な言動なども征夷大将軍としては到底あり得ないし、稀代の文人だった徳川綱吉を徒に貶めるものでしかない。流石に酷い。徳川家一門(将軍家・御三家・御三卿その他)の方々は現在も健在なのだが、これを見て傷付き怒らないのだろうか?と心配してしまう。ともあれ、このドラマに出てくる人々は歴史上の人物の姿と名を借りた現代人であり、将軍とは要するに与党総裁か知事か何かのことなのだと弁えた上で見てゆくことにしよう。