花より男子第1話

TBS金曜ドラマ花より男子」。神尾葉子原作(漫画)。藤本有紀脚本。石井康晴演出。TBSテレビ制作。井上真央主演&松本潤小栗旬松田翔太阿部力助演。第一話。
これの原作漫画を読んだことはないが、一九九五年フジテレビ制作の映画版を二〇〇二年一月五日の深夜にテレヴィ放映で見たことはある。牧野つくし役が内田有紀道明寺司役が谷原章介、花沢類役が藤木直人だった。今や変な男を演じる名手とも云える俳優の谷原章介が当時は野性味のある精悍な美男子だったことをその映画は伝えていた。
さて、ともかくも「花より男子」がどのように始まる物語であるかを原作漫画や映画版を通して知る人が少なくないとすれば、制作者側も安心して描写の仕方に集中できたのかもしれない。実のところこのドラマにおけるF4首領の道明寺司松本潤)の傲慢な言動や陰湿な苛めの描写は徹底していて詳細で、なかなか直視できない程に辛い場面の連続ではあった。観者がそれに耐え抜くことができるのは、新たな苛めの標的に定められた牧野つくし(井上真央)に対して花沢類(小栗旬)が救いの手を差し伸べてくれるだろうこと、そして第一話の最後までには「雑草」のような牧野つくしの勇敢な反撃があるだろうことを予測できたからであるかもしれない。ともあれ面白かったし、特に牧野つくしの家族がよい。母の牧野千恵子(石野真子)と父の牧野晴男(小林すすむ)と弟の牧野進(冨浦智嗣)が、つくしの英徳学園通学を支援するため倹約に励んでいる様子が泣かせる。次週以降も楽しんでゆきたい。