仮面ライダー響鬼最終回

テレビ朝日系“スーパーヒーロータイム”ドラマ「仮面ライダー響鬼」。細川茂樹主演。四十八之巻「明日なる夢」=最終回。
安達明日夢栩原楽人)は人助けの道として医師を志し猛勉強に励み、桐矢京介(中村優一)は猛士の一員として修業に励み着実に鍛えていた。前回の話から一年後のこと。その間、明日夢の言から推察されるところ、桐矢は学校を休みがちになっていたようだ。恐らくは校内で顔を見ることはあっても言葉を交し合うことはなかったろう。ところが、或る日、一人の少年が足を滑らして渓の底に落ちそうになっていたとき、少年を救出しようと奮闘していた明日夢に救いの手を差し伸べた桐矢。再会。直ぐに和解できたわけではなかったが、桐矢が明日夢の離脱を今なお許そうとしなかったのは、逆に明日夢に対する彼の思いの深さを物語ることだろう。一緒に戦いたかったのだ。
この再会の直後、魔化魍が出現したとの連絡あり、桐矢は現場に急行。明日夢も追いかけた。桐矢は魔化魍と闘い、他方、敵の攻撃で負傷して気絶した桐矢を明日夢は背負って逃げ、手際よく傷の手当てをした。桐矢は明日夢の医者志望が確かな決意であること、そして修業を離脱してもなお鍛え続けてはいたことを認め、明日夢も桐矢の修業が真剣なものであることを認め始めた。実際そのあと桐矢は白い「鬼」に変身して魔化魍に立ち向かった。不器用ながらも懸命な戦い振りだったが、変身能力を身に付け得た最短記録の更新ではないのか。ともあれ、明日夢に対してヒビキ(細川茂樹)が、変身できるようになることだけが弟子であることではないこと、自分の道を進みながらも「弟子」でいて欲しいことを語った以上、明日夢と桐矢はそれぞれなりの方法で共闘してゆくのだろう。将来、桐矢の主治医となった明日夢がいるかもしれない。かつてのザンキ松田賢二)の主治医のように。
和装の男女(村田充芦名星)が洋装の男女(村田充芦名星)の傀儡でしかなかった。魔化魍との闘いは終わりなく続いてゆくに違いない。そして鬼の道は師から弟子へ受け継がれ、途絶えることがない。そうであれば「仮面ライダー響鬼」の最終話には真の完結はあり得ない。ヒビキと明日夢の間の師弟愛、明日夢と桐矢の間の同志愛を描くことこそ物語の終結に相応しかったのであると考えたい。