プリマダム第六話

日本テレビ水曜ドラマ「プリマダム」。中園ミホ脚本。丸山和範音楽。序曲=プッチーニ作曲「誰も寝てはならぬ」[歌劇「トゥーランドット」]。主題歌=中森明菜「花よ踊れ」。西憲彦&志村彰&森雅弘プロデュース。萩原孝昭演出。制作協力The icon。第六話。
前回の最後の、発表会での失敗を機に今回は色々激動があって内容は盛り沢山だったが、中で印象的だったのは高杉民江(松島トモ子)の告白。苦労を知らない富裕で有閑の専業主婦かと思われていたが、その実は、良妻賢母としての完璧主義、潔癖性を徹底し過ぎたばかりに却って愛する夫には煙たがられ、五年前にタイに単身赴任してから今日まで夫からは一切の連絡がなく、要するに半ば見捨てられてしまっていた孤独の人だったのだ。妻としての地位を失ったわけではないので経済面での不自由こそないが、夫も誰もいない広大な邸宅で何時も一人、話し相手のいない生活を五年間も続けてきた。そんな高杉民江にとって、少女時代に習ってから永らく忘れていたバレエを今改めて土井匠(小林十市)のバレエ教室で習い直すことは、遠い昔の、幸福だった少女時代の夢を取り戻すことであるし、またバレエ教室で知り合った仲間たち皆と集い、喫茶しながら会話に興じるのは、五年間の孤独を忘れる最善の避難所であるのだ。
万田佳奈(黒木瞳)の夫、万田高太郎(古田新太)は前回ついにバレエに参加し始めたが、今回ついに土井匠バレエ教室にまで通い始めた。初心者であるはずなのに山本潔(加藤雅也)よりも様になっているように見えた。自宅での密かな自主トレイニングの成果だろう。