NHK番組中のルーヴル美術館史

NHK総合「ハイビジョン中継・世界遺産・フランス縦断の旅・セーヌ河岸」を夜十一時頃に偶々見ていたら国立美術館ルーヴル美術館の歴史を簡単に解説していたが、あれだけ短い解説なのに余りにも出鱈目が多くて驚いた。ルイ14世ヴェルサイユ遷都によってルーヴル宮殿が廃墟と化したことを物語るものとして画面に映ったユベール・ロベール作の油画は、現実の廃墟を描いたものではなく、遠い未来に廃墟と化したルーヴルの姿を想像して描いたものではなかったかと思う。また廃墟と化したルーヴルに浮浪者が住み付いたというのも史実であるのかもしれないが、同時に一応、ルーヴル宮殿内に居室を得ることは、静物画の巨匠シャルダンのような最高の芸術家に対し国王から与えられる特権でもあったはずではないだろうか。ルーヴルの美術館化を決めたのは革命前のルイ16世だったはずだ。