下北サンデーズ第八話

テレビ朝日系。木曜ドラマ「下北サンデーズ」。
原作:石田衣良下北サンデーズ」[隔月刊誌『papyrusパピルス)』(幻冬舎刊)連載中]。脚本:三浦有為子&河原雅彦。主題歌:藤井フミヤ「下北以上 原宿未満」(ソニー・ミュージック・アソシエイテッド・レコーズ)。音楽:屋敷豪太。原案:石田衣良藤井フミヤ堤幸彦。原案協力:長坂信人(オフィスクレッシェンド)。企画協力:古賀誠一オスカープロモーション)。プロデューサー:桑田潔テレビ朝日)&市川竜次(オフィスクレッシェンド)。制作:テレビ朝日オフィスクレッシェンド。演出:木村ひさし。第八話。
八神誠一(石垣佑磨)の自殺未遂。彼を含めた「下北サンデーズ」の皆がこの問題を乗り越えることができたのは今回の事件の全貌をサルからヒトへの進化をめぐる物語に託し、彼の思いを受け止めたからだった。これまでの八話の全体を通して最も説得力のある一話だった。
ところで、「進化しなかったサル」の公演に先立って「下北サンデーズ」は里中ゆいか(上戸彩)の実家の温泉旅館で「合宿」を断行したが、ここでの「サトシン」こと佐藤新(藤ヶ谷太輔)の存在感の希薄なのには驚愕した。時々姿が見えなくなるし、見えても大抵は遠景に小さくしか見えないし、大きく写っても顔は隠れているし。それで驚いてインターネット上で少しだけ調べてみたところ何と!これまでにも彼は他の仕事の都合で時々撮影に参加できなくて代役を立てていたらしい。ボンヤリ見ていたので迂闊にも気付かなかった。未熟。今回は代役の度合いが特に高かったようで、それで存在感の希薄なのが目立ったようだ。劇団の男子が皆で露天風呂に浴した場面にも彼だけは参加していなくて、あくたがわ翼(佐々木蔵之介)が「サトシンはどうした?」と訊けばジョー大杉(金児憲史)等は「人前で裸になるのが恥ずかしいらしい」と答えていたが、なるほど本当は撮影の現場に不在だったわけなのか。彼の入浴場面がなくて残念。また劇中に登場する三匹猿「見ざる・云わざる・聞かざる」中の「イワ猿」役に指名されたときも口を覆い隠す両手が口ばかりではなく顔の全体までも隠していて、ジョー大杉は「イワザルなり切っているな」と感心していたが、或る意味これは代役の人がサトシンになり切っているということでもあるのか。旅館での夕食の場面に至っては代役さえもいない。
サトシン=藤ヶ谷太輔を見たくて毎週これを見てきた者にとっては何とも衝撃的な事実だが、でも他方で彼の顔が大きく写る場面も幾つかはあった。次週は最終回。「オシャレなメガネ男子」サトシンの活躍に期待しよう。