テレヴィ雑誌記事

本日発売のテレヴィ雑誌を購入。気になった記事二三の所在と概要のみ録して覚書にしておこう。
さて、「ザテレビジョン」二〇〇六年第三十七号。
(一)「視聴率低迷・打ち切り続出-ドラマ・クライシス-連続ドラマは死んだのか!?」と題する特集が載る(pp.20-23)。だが、どうして今こんな特集が唐突に組まれなければならなかったのだろうか。放送中のテレヴィドラマが全て面白いわけではなく、面白いのもあれば面白くないのもあるという状況は、冷静に考えるなら今に始まったわけではない。例えば、フジテレビの月九ドラマは殆ど常に駄作であって今期のが特に駄目であるわけではない。それどころか、この特集の本文中でも云われている通り、今期でも見所ある作品はある。視聴率低迷の時期は以前にもあったはずで、その点でも今期だけが特別に問題であるとは現時点では断言できないはずだ。それなのに何故こんな特集が組まれたのか。多分、絶大な人気を誇るはずの男女を主演にしたドラマが視聴率において苦戦している事態を受けてのことだろう。伊東美咲速水もこみち等の主演ドラマが視聴率において失敗したことの理由を「ドラマ・クライシス」に求めたわけなのだろう。問題がドラマ側にしかないのか、それとも実は「人気」の側にもありはしないのか。何れにせよ三ヶ月間に制作され放送される十数本のドラマが全て傑作であり駄作がないような状況など現実的では到底あり得ないし、傑作が視聴率を稼げるわけでもない。野沢尚の遺作「砦なき者」(2004年4月2日・テレビ朝日)において述べられたように、「大衆」とは最後まで捉えどころのない気難しくて気紛れな無責任の化け物なのだ。
次いで「TVガイド」二〇〇六年九月十五日号。
(二)十月から始まる新ドラマ各作品についての特集(pp.13-17)。上記「ザテレビジョン」の特集「ドラマ・クライシス」では放送各社ドラマ制作責任者が反省と批判を述べていたが、その挙句こんな企画しか出せないのであれば「ドラマ・クライシス」だとか何とか偉そうなことは云わないに限る。特にフジテレビのドラマ制作センター室長は「ドラマの常識を見つめ直すべし」とまで主張しているが、フジテレビにそんな能力がないことを自ら証明してみせたようなものではないか。
(三)十月から始まる新ドラマ各作品の中で心惹かれる題名のものは一つもない。出演者の顔触れに心惹くものがあるのは日本テレビ水曜ドラマ「14才の母」位。志田未来田中美佐子生瀬勝久三浦春馬北村一輝室井滋が出演する。志田未来三浦春馬に期待したい。なお、北村一輝はTBS木曜十時「嫌われ松子の一生」にも出演するようだが、週二度も見るには濃い役者であるのが心配。TBS日曜劇場「鉄板少女アカネ!!」には堀北真希塚本高史が出演。北川悦吏子脚本、亀梨和也綾瀬はるか主演による日本テレビ土曜ドラマたったひとつの恋」は土曜ドラマにも亀梨にも馴染まない企画であるのは気になるが、他の出演者の顔触れを早く知りたいところ。
(四)九月十三日放送TBS系ドラマ夏の冒険ミステリー「カクレカラクリ」に出演する平岡祐太のインタヴュウ記事(p.89)。主演の加藤成亮とコンビを組んで大活躍する役のようだ。かなり面白くなりそうだ。期待しよう。