役者魂!第二話

フジテレビ系。「役者魂!」。
脚本:君塚良一。企画:高井一郎。メインテーマ:「S.E.N.S.」。音楽:森英治。主題歌:松たか子『みんなひとり』(BMG JAPAN[作詞&作曲&プロデュース:竹内まりや])。挿入歌:竹内まりやスロー・ラヴ』(ワーナーミュージック・ジャパン[作詞&作曲:竹内まりや/編曲:山下達郎])。プロデュース:船津浩一。制作:フジテレビ&共同テレビ。演出:若松節朗。第二話。
面白いのに微妙に不満も残るのは一つには期待度が高くならざるを得ないからではある。なにしろ主演女優と主題歌と挿入歌のよさと脚本家の名が自ずから期待を高めるし、なるほど実際にも面白いが、今宵の第二話に関しては痛い失敗が二点はあったかと思う。最高に面白くあるべきであるのに残念ながら全く面白く仕上がっていないゆえに余りにも痛い二点。
(一)本能寺海造(藤田まこと)の「リチャード三世」の台詞についてアントーニオ(富岡晃一郎)が「自然にやればよいのに」と云い出したのに便乗して所属事務所の社長の柳沢光春(香川照之)ばかりか経理の相川護(森山未來)までも云いたい放題に提案し出したあたりの展開は傑作で笑えたが、それら諸提案を踏まえた本能寺海造の実演の数々は意外に面白くなかった。
(二)本能寺海造が、子ども二人の父親として二人を引き取って生きてゆかなければならぬと知ったことで芝居への意欲を暫し見失い、「リチャード三世」初日の公演を無気力な棒読み演技で通してしまったところ、それが何時になく自然な演技として受け取られ、新鮮味あるものとして喜ばれ、大物役者の新境地として高く評価されたという展開は理屈としては面白かった。しかし理屈としては面白くとも実際には流石にあの無気力な棒読み演技を高く評価する馬鹿な批評家は皆無だろう。その点で説得力を欠いた。
[登場人物&出演者]芸能事務所ヤナギサワエクスプレス本能寺海造担当マネージャー=烏山瞳美(松たか子)//ヤナギサワエクスプレス経理担当=相川護(森山未來)/女優=梓里奈(加藤ローサ)//福田桜子(川島海荷)福田忠太(吉川史樹)//ヤナギサワエクスプレス梓里奈担当マネージャー=斉藤和子(濱田マリ)/隣人・スタイリスト=アントーニオ(富岡晃一郎)/ヤナギサワエクスプレス社長秘書=山崎紀夫(前川泰之)/芸能事務所ヤナギサワエクスプレス社長=柳沢光春(香川照之)//シェークスピア役者=本能寺海造(藤田まこと)。