水曜ドラマ14才の母第五話

日本テレビ系。水曜ドラマ「14才の母」。第五話。
脚本:井上由美子。主題歌:Mr.Children「しるし」(TOYS FACTORY)。音楽:沢田完高見優。プロデュース:村瀬健&浅井千瑞。演出:佐藤東弥
一ノ瀬健太(小清水一揮)の素朴な感想をどう見るべきだろうか。もし姉が人を殺したのであれば怒って「馬鹿野郎!」と殴ればよいが、逆に人を産もうとしているのだから、どう反応すればよいのか判らない…という感想。この言は極めて素朴であり自然であり、その限りでは的確でさえあるが、素朴で自然であることは、歴史的な文化の蓄積の上に立つ社会に生きる限り、そのまま正義であるとは限らない。一ノ瀬未希(志田未来)が現代の日本のあの街のあの家庭で生きてゆくのであれば、産婦人科医(高畑淳子)の客観的な見解も含め、考慮しなければならないことが数多あるはずで、そして全てを考慮した果てには、恐らく、産まないという結論しか出てこないに相違ない。一ノ瀬健太の素朴な言は、それが自然であり的確でさえあることによって、全ての問題を単純化し誤魔化してしまう役割を担っているのだろう。一ノ瀬忠彦(生瀬勝久)の苦悩と悲しみの姿は頑迷固陋の表出ではなく、娘の現在と未来への配慮の深さを物語っている。
[登場人物(出演者)]一ノ瀬未希(志田未来)/母=一ノ瀬加奈子(田中美佐子)/父=一ノ瀬忠彦(生瀬勝久)/聖鈴女学院理科教諭・学級担任=遠藤香子(山口紗弥加)/叔父=三井マコト(河本準一次長課長])/交際相手=桐野智志(三浦春馬)同級生=柳沢真由那(谷村美月)同級生=久保田恵北乃きい)/産婦人科医=的場春子(高畑淳子)/聖鈴女学院保健体育教諭=原口和明(井坂俊哉)/三井マコト妻=三井ひな子(金子さやか)/桐野静香秘書=山崎光陽(海東健)/一ノ瀬加奈子パートタイム仕事仲間=松本リカ(大沢逸美)聖鈴女学院教頭=猪原光江(長谷川稀世)/週刊誌「トップ」編集部記者=稲葉真也(宮下雄也RUN&GUN])一ノ瀬加奈子パートタイム仕事仲間=奥村美子(出口結美子)同級生=長崎さやか(小池里奈)弟=一ノ瀬健太(小清水一揮)/聖鈴女学院中学校長=中谷栄三(小野寺昭)/週刊誌「トップ」編集長=波多野卓(北村一輝)/桐野智志母=桐野静香(室井滋)。