仮面ライダー電王第二話

テレビ朝日系。“スーパーヒーロータイム”「仮面ライダー電王」。主演:佐藤健。脚本:小林靖子。監督:田粼竜太。第二話「ライド・オン・タイム」。
先週の第一話は楽しく笑える場面の連続だったが、今週の第二話には泣けるものがあった。不良のテツオ(落合扶樹)の抱える悔やみ切れない想い。そして彼の悲しみを解消した野上良太郎佐藤健)の優しさ。テツオの運転する暴走トラックを止めるため「デンライナー」で激突しようとしたモモタロス(声:関俊彦)に対し良太郎は激突ではなく接触するだけにするよう求め、意見の対立を見せたが、戦闘の途中で幼児が飛ばされた際にはモモタロスも良太郎も一致して救助に走った。モモタロスの狂暴性には暗さがない。あるのは短気で見境のない感情の激しさ、熱さのゆえの暴力性に過ぎない。だから不快感がない。もっとも「イマジン」としてのモモタロスが本来どのような願望を抱いていたのかは未だ定かではないが、少なくとも良太郎に拘束されている限り単なる熱血漢であり続けるに相違ないと思わせてくれる。云わば三蔵法師に拘束された孫悟空みたいなものだ。
しかし良太郎に拘束されている限りモモタロスは味方であるということは、当分は安心であると同時に将来には不安も残るということでもある。そこにドラマがある。笑えた先週と泣かせた今週との対比も含めて、なかなかドラマティクな要素を豊かに内蔵した構図が作られているのだと想像する。