ハケンの品格第八話

日本テレビ系。水曜ドラマ「ハケンの品格」。第八話。
脚本:中園ミホ。音楽:菅野祐悟。主題歌:中島美嘉「見えない星」(作詞作曲:長瀬弘樹&編曲:羽毛田丈史ソニー・ミュージック アソシエイテッドレコーズ)。プロデューサー:櫨山裕子&内山雅博。演出:南雲聖一。制作協力:オフィスクレッシェンド
東海林武(大泉洋)の直面した問題とは何だったのか。無論のこと、戦友とも云うべき親しい同僚を裏切り恋人を捨ててでも会社のために全てを捧げ、上司に服従して出世に邁進することはできるのか?という問題。この問題の前提として、会社とは家族のようなものであるはずだ!という幻想を彼が抱いていたということがある。とはいえ、これが幻想でしかないことを彼は実は既に内心は知っていたはずだ。なぜなら会社の命令により大量リストラを断行し、会社の仲間たち多数を切り捨てたのは彼自身だからだ。今や会社は家族ではあり得ない。それでもなお彼が幻想を抱き続けていたのは、彼を評価してくれる上司として桐島敏郎(松方弘樹)がいて、そして何よりも最高の友として里中賢介(小泉孝太郎)がいたからだったろう。しかるに今、桐島部長は里中を切り捨てることを決意し、同時に里中の業績を東海林のものにして出世を約束したのだ。この瞬間、幻想は完全に崩壊した。さらにはそこに大前春子(篠原涼子)への恋や、その恋をめぐる親友との三角関係、桐島部長の紹介による取引先銀行頭取の令娘との見合の話まで絡み、東海林の情熱を爆発させた。家族愛の欠片もない会社を、彼は愛せないと気付いたのだ。