華麗なる一族最終話

TBS開局55周年記念特別企画。日曜劇場「華麗なる一族」。第十話=最終回。
原作:山崎豊子華麗なる一族」(新潮文庫刊)。脚本:橋本裕志。音楽:服部隆之。企画:瀬戸口克陽植田博樹。プロデュース:福澤克雄石丸彰彦。制作:TBSテレビ。演出:福澤克雄
万俵鉄平(木村拓哉)の死を確認した警察官を演じたのは前田吟。あんな数秒しか出番のない脇役に、こんな有名俳優を起用するとは贅沢だ。
万俵大介(北大路欣也)の真の不幸の始まりは、全ての不幸の原因が万俵鉄平の出生に関する大介自身の誤解にあることの認知にある。古代の賢者アリストテレス詩学において述べるように、英雄が世の不幸の原因が己にあることを認知して事態の逆転に見舞われることは悲劇を成立させる要素であり、この物語の本質はそこにしかないと見るべきだろう。