ホタルノヒカリ第三話

日本テレビ系。水曜ドラマ「ホタルノヒカリ」。
原作:ひうらさとるホタルノヒカリ」(講談社)。脚本:水橋文美江。音楽:菅野祐悟。主題歌:aiko「横顔」。プロデューサー:櫨山裕子&内山雅博&三上絵里子。制作協力:オフィスクレッシェンド。演出:南雲聖一。第三話。
雨宮蛍(綾瀬はるか)ドジョウ掬い。それは手嶋マコト(加藤和樹)への三枝優華(国仲涼子)の恋を成就させるため、三枝に片想いの神宮寺要(武田真治)が発案した社内恋愛促進の懇親会で、会を盛り上げるための余興として神宮寺が企画し、雨宮に強いた芸だった。しかし結局は、ドジョウ掬いを笑顔で披露した雨宮の姿を手嶋は楽しみ、恐らくは好意をさらに深めるに至ったに相違ない。今回ついに明かされたところによると、手嶋が雨宮に好意を抱き始めたのは、かつて雨宮が営業部に属していた頃の、上司に叱られたあと会社の屋上でビールを飲んで憂さ晴らしをしていた雨宮の豪放磊落な本性を知って以来のことだったのだ。云わば会社における雨宮の、「ステキ女子」の仮面の奥の、「干物女」の素顔に一目惚れしていたわけなのだ。ドジョウ掬いを引き受ける雨宮の姿には、愛を感じるのが当然だろう。
田所潤平(渋江譲二)は、沢木瞬(渡部豪太)の提案により、曽根美奈子(浅見れいな)と交際することになってしまった。もともと沢木が両名の意思に関係なく提案したところ、それに乗った曽根が田所に交際を申し込み、沢木が田所に代わり承諾した格好。田所は必ずしもそれを希望していたわけではなさそうだが、両名の交際は今後どうなるのだろうか。
このドラマで最も楽しいのは高野誠一(藤木直人)の家での、彼と雨宮蛍との取り止めのない会話だが、今宵の第三話では、高野が別居中の妻との離婚の件で落ち込んでいて、その件で徒に高野を煽るばかりの二ツ木昭司(安田顕)に相談を持ちかける場面が多かった分、雨宮との時間が少なかった。その上、高野と雨宮の二人の場面も両名それぞれの悩みに満たされて内省的でさえあった。でも、それも悪くはなかったと思う。
手嶋をめぐる三角関係の件で三枝優華に激励された雨宮は、弱気なところを見せたことで逆に三枝に厳しく詰問されたが、云い返せなくて怯えて逃げ去ろうとして、「弱虫!意気地なし!ダンゴ虫!」と非難された。そのとき雨宮は文字通りダンゴ虫のように体を丸めて小さくなって、小走りに走り去ろうとしていたのだ。その姿が素敵だった。