仮面ライダー電王第三十話

テレビ朝日系。「仮面ライダー電王」。主演:佐藤健。脚本:小林靖子。監督:田村直己。第三十話「奥さん花火どう?」。
デネブ(声:大塚芳忠)が家出。桜井侑斗(中村優一)の、大切な変身カードを無駄に使わせてしまい、残り一枚だけにしてしまったからだった。家出したデネブは野上良太郎佐藤健)を訪ねた。良太郎を助けてイマジン退治をこれまで以上に推進すれば、侑斗に変身させる必要もなくなるだろうというのがデネブの考えだった。そんなにも侑斗のことを思うなら素直に帰るべきではないのか?と良太郎が説得を試みても、侑斗に合わせる顔がないと云うのみ。他方、侑斗はデネブを探し求めてデンライナーにまで現れたり、草原に寝転がり、悔しそうな顔で一枚だけのカードを見詰めながら物思いに耽ったり。このとき彼が抱いていたのは、デネブに余計な責任を感じさせてしまったカードの枚数それ自体への苛立ちに他ならなかった。だからデネブが姿を現して彼に謝罪したとき、侑斗は一枚しかないカードを川に捨ててしまった。カードなんか、この程度に過ぎない…と云って。カードを守るためにデネブがいなくなる位なら、カードを捨ててでもデネブと一緒にいたいとの思いだ。
とはいえ、その夜、邪悪な「青い鳥」イマジンから解放された花火職人の寺崎トオル(林剛史)が初めて作り上げた花火を河原で盛大に打ち上げ、野上愛理(松本若菜)と尾崎正義(永田彬[RUN&GUN])、三浦イッセー(上野亮)、そして良太郎とハナ(白鳥百合子)がそれを見物していたとき、侑斗はデネブと一緒にその川の水に浸かり、闇の中、花火の光に照らされたその川のどこかにあるはずの、自ら捨てたカードを必死に探そうとしていた。デネブのためなら唯一残ったカードも捨てるが、やはりカードも必要ではあるのだ。