月九ガリレオ第二話

フジテレビ系。月九ドラマ「ガリレオ」。
原作:東野圭吾探偵ガリレオ」「予知夢」。脚本:福田靖。音楽:福山雅治菅野祐悟。主題歌:KOH+「KISSして」。演出:西谷弘。第二話。
途中からは面白いと思ったが、唯一その面白さを損なったのは冒頭の面白くなさ加減。何が面白くなかったかと云えば、内海薫(柴咲コウ)の強烈な関心の描写に説得力が乏しかったからに他ならない。「幽体離脱」をして赤い車を目撃して絵にしたと云う十歳の少年、上村忠弘(今井悠貴)の証言の一体どこに強い関心を抱かなければならなかったのか。冷淡に考えるなら、容疑者のアリバイを裏付けるのが赤い車であるということを知ったあとに、あたかもそれを神秘の力によって目撃し得たかのようにその絵を描いたという可能性も充分に想定できたはずなのだ。そんなものに証拠能力なんかあるはずもない。もちろん結果としては、少年の云う「幽体離脱」の真相を物理学者の湯川学(福山雅治)が明晰に解明することによって、殺人事件の発生した日の特定の時間にのみ特別に生じ得た特殊な現象の実在性を突き止め、どんな目撃証言よりも強力なアリバイを実証し得たわけではあるが、少なくとも内海薫が少年の絵に初めて接した時点では、そのような展開は予想もできなかったに相違ない。内海薫が少年の「幽体離脱」証言に重要性を見出したのは何故か。結局「刑事の勘」に尽きる。容疑者の栗田(石井正則)が犯人ではないという勘と、少年は嘘を吐くような子ではないという勘。ともあれ上村少年の父(小市慢太郎)の嘘を見破る場面に焼肉店の女将の幸恵(虻川美穂子)を何故か同席させた理由が、少年の父親への愛と、そんな父子への女将の愛を見抜いてのことだったあたりが、なかなかよかった。