1ポンドの福音第二話

日本テレビ系。土曜ドラマ1ポンドの福音」。
原作:高橋留美子。脚本:福田雄一。音楽:井筒昭雄&川嶋可能。主題歌:KAT-TUN「LIPS」。プロデュース:河野英裕/小泉守&下山潤(TMC)。制作協力:トータルメディアコミュニケーション。第二話。演出:佐藤東弥
畑中耕作(亀梨和也)のシスターアンジェラ(黒木メイサ)への告白に関して、シスターミリー(江口のりこ)が述べた「男とはどういうものか?」論は、少なくともシスターアンジェラに対する畑中耕作の態度に関しては概ね当っているかもしれない。確かに彼は己の熱い想いを一方的に告げるばかりで相手の思いをまるで確認できていない。熱心に愛すれば必ずや愛してくれるはずだと信じて、それで一直線に行動するのみ。かなり身勝手だ。しかし兎に角、裏表はない。思いのままに暴走してはいるが、一人で思い悩んだ末に暴発することがなさそうであるのは間違いない。
シスターアンジェラ側の思いはどうなのだろうか。第二話に関して云えば、余りにも真直ぐで前向きな畑中耕作の、そのゆえに身勝手な一面をしか目撃できていないのがシスターミリーであるとすれば、逆にそのゆえに根本的に明るく陽気で、己にも優しく他人にも優しいという一面をも偶々知ってしまったのがシスターアンジェラであると云えるかもしれない。
彼が対戦相手の来栖(福井博章)を激励し奮起させるため語った「ボクサーのパンチにも神が宿る」という意の言は、修道院に熱心に通う来栖を確かに奮起させたばかりか、シスターアンジェラの畑中耕作への見方をも変えた。だが、この言の源泉は彼の同居人、上田(岡田義徳)の言にある。上田は、ボクシングではとても強そうには見えないし頼りにならなさそうだが、ボクシングへの思いにおいては一寸した詩人だ。
上田や児島(波岡一喜)、堀口(石黒英雄)の、同じ向田ボクシングジムの仲間である畑中耕作への応援は率直で熱いが、石坂(高橋一生)は冷静に分析をする。熱を見せない。でも応援してはいるのだ。彼等と畑中耕作の、同じボクシングジムで日常生活をもともにしながらボクシングに打ち込んでいる同志としてのライヴァル心とか友情とかをもう少し見たい。