薔薇のない花屋第三話

フジテレビ系。月九ドラマ「薔薇のない花屋」。
脚本:野島伸司。主題歌:山下達郎「ずっと一緒さ」。プロデュース:関卓也稲田秀樹共同テレビ)。第三話。演出:葉山浩樹。
もう間もなく最終回だろうか?と思えてしまう程、謎めいていた要素が何となく解き明かされてしまったような雰囲気で、それらも概ね予想の範囲を超えるでもなく、物語の面白味が一気に希薄になってしまったような気がする。なお最終の着地点が見えないとはいえ、残る二ヶ月間を一体どのように盛り上げてゆくのかも見えない。逆にそれが見ものかもしれない。
汐見英治(香取慎吾)と亡き恋人(本仮屋ユイカ)との間の子、汐見雫(八木優希)の通う小学校の学級の担任教諭、小野優貴(釈由美子)は、同教諭に片想いをしている喫茶店主人、四条健吾(寺島進)との会話の中で、「女は誰でも、最後の女になりたいものなの」と述べた。
だが、そうなのだろうか。これとは正反対のことを述べた人を、少なくとも一人は知っている。先週火曜日に放送されたドラマ「あしたの、喜多善男」における鷲巣みずほ(小西真奈美)だ。九日後には死に行こうと計画している喜多善男(小日向文世)にとって最初の女であり最後の女でもあるこの人は、己がこの男の最後の女であるという事実を非道く嫌悪し、拒絶しようとして彼に対し、残された九日間に頑張って誰か一人でも新たな愛する女を作り、その人を本当の最後の女ということにして!と要求したのだ。「女は誰でも最後の女になりたいもの」という命題も、相手次第で偽にもなるのだ。