渡る世間は鬼ばかり第四十二話

TBS系。橋田寿賀子ドラマ「橋田寿賀子ドラマ渡る世間は鬼ばかり」。
作(脚本):橋田寿賀子。音楽:羽田健太郎。ナレーション:石坂浩二。演出:荒井光明。プロデューサー:石井ふく子。第九部第四十二回。
大井精機株式会社を買収され、社長としての地位を失った大井道隆(武岡淳一)に対し、夫人の大井直子(夏樹陽子)は離婚届を叩き付けたが、その意図は意外に賢明なものだった。社長は会社を維持するために莫大な借金をしていて、会社ばかりか私有財産をも失う恐れのある中で、離婚しておけば大井直子名義の財産だけは守ることができると考えてのことだったのだ。離婚は財産を一部だけでも守るための形式上のものであり、夫妻であることを止めたいわけではなく家族を解散したいわけでもないことを名言していた。なるほど、なかなかの賢夫人だ。それに、今回判明した事実として、大井貴子(清水由紀)の証言によれば、何年か前(十年位昔?)まで大井家は小さなアパートに家族四人で生活していたらしい。ああ見えて大井直子には倹約の能力もあるのかもしれない。