RESCUE特別高度救助隊第七話

TBS系。ドラマ「RESCUE 特別高度救助隊」。第六話。
脚本:八津弘幸。音楽:羽岡佳。主題歌:KAT-TUN「RESCUE」。プロデューサー:加藤章一佐藤敦司。製作:ドリマックス・テレビジョン&TBS。演出:松田礼人。
横浜市安全管理局特別高度救助隊(「スーパーレンジャー」=略称「SR」)の新人隊員三人組、北島大地(中丸雄一)と手塚豊(増田貴久)と不動雅志(山本裕典)は、間もなく事務方へ転じて救助の現場からは退こうとする先輩隊員の五十嵐八郎(田中要次)の家に招かれ、盛大な夕食を振る舞われた。大いに食い終えて満足した北島大地と手塚豊は五十嵐家の子どもたちと一緒に遊んでいたが、不動雅志だけは食後の酒を飲みながら一人静かに物思いに耽っていた。それを見た五十嵐家の子どもたちの内の一人は「要救助者、発見!」と声をかけて彼に敬礼をした。元気のなかった不動雅志もそれを見て敬礼で応えた。今宵の一番の見所だったと思う。
このとき不動雅志が元気なかったのは、直前の救助の現場において、私事で動揺した所為で仕事の只中に冷静な判断力を見失い、失敗して己の能力に自信を失ったからだった。医師の家に生まれながらも医師になる道から逃げて、医師として働く父や兄を見返したくて、ただそれだけのために特別高度救助隊員を目指したらしい彼には、ライヴァル北島大地のような、殆ど熱狂の域にまで達したかと見える程の情熱があるわけもなく、ただ己の卓絶した能力の高さと禁欲的な向上心のみが精神の支えだったのだろう。だから、私情で動揺していたとはいえ己の能力に隙を作ってしまったことは完全な自信の喪失に繋がったのだろう。
だが、そうして自信を失って元気をなくしていたことを抜きにしても、彼が北島大地や手塚豊と同じように子どもたちと一緒に陽気に盛り上がる姿は、容易には想像し難いかもしれない。そういう性格なのだ。