赤鼻のセンセイ第九話

日本テレビ系、ドラマ「赤鼻のセンセイ」。第九話。
脚本:土田英生。主題歌:原由子夢をアリガトウ」。音楽:中塚武。チーフプロデューサー:櫨山裕子。プロデューサー:大倉寛子&秋元孝之。制作協力:オフィスクレッシェンド。演出:佐久間紀佳
知ることの喜び、知の楽しみこそは真に生きる喜びであり得るということは、偶々重病の和田雅樹(須賀健太)にとっての真実でこそあれ、このドラマの制作者の云いたいことであるわけではないとは思う。でもそれは本質的だ。知の喜び程に生きる喜びであり得るものはないのではないだろうか。人は「生」に最も親密なものとして食欲や性欲を想定するかもしれないが、それ等は生き続けることの喜びとしては余りにも足りない。なぜなら永続的ではあり得ないからだ。例えば、仮に性的な快楽に生きる喜びを見出す人があったとしても、快楽は瞬時に消えてしまうし、繰り返せば飽きてしまうから、それを何とか永続させようとするなら様々な仕方で快楽を増大化、肥大化させざるを得なくなり、挙句の果てには、かの押尾学酒井法子の如く違法の薬物にまで手を出して逆に人生を終わらせてしまうことにもなりかねない。知の喜びはそうではない。なぜなら知の領域は広大で知の作業は尽きないからだ。
ともあれ八重樫守(神木隆之介)の悩める姿は美しい。吾このドラマを予て八重樫守役の神木隆之介の美を観照するだけのために見てきたに過ぎないと云うも過言ではなく、その所為もあってか、今や、物語の来し方も行方も完全に見失ってしまった感がある。このドラマが何を描きつつあるのかを理解できていない有様。ゆえに益々八重樫守役の神木隆之介の美以外には見たあとに何も印象に残らない始末。