オトメン(乙男)秋第三話

フジテレビ系。「オトメン(乙男)秋」。第三話。
原作:菅野文。脚本:野口照夫。演出:阿部雅和。
正宗飛鳥(岡田将生)の私生活の一部始終を観察すべく密かにどこまでも追跡する橘充太(佐野和真)を、久し振りに見ることができた。しかるに今回、彼はさらに重要な役割をも担った。飛鳥の実の父である城之内ミラ(鶴見辰吾)は、橘充太=幸花ジュエルの描く人気漫画「らぶちっく」を通して、父子としては永らく会うこともできていない吾が子の近況を知り、幸花ジュエル=橘充太その人を通じて吾が子への助言を与えた。橘は飛鳥に、飛鳥の実父からの言葉を(そうとは知らず)伝え、飛鳥は、飛鳥の全てを知り全てを理解してくれる橘の言葉を通して実父の思いを(そうとは知らず)受け取った。真相の全貌を知るのは城之内ミラ一人。実に奇妙な、面白い関係だ。
オトメンであることは、今日の日本において、世間一般には何一つ恥ずべきことではないに相違ないが、この物語における正宗飛鳥には、どうしても母にだけはそのことを知られてはならない事情がある。己の本心なんか明らかにできなくても構わない!本当のことを理解してくれる友人が数人いるだけで充分!という彼の考えは、オトメンよりはむしろ(本来オトメンとは別の概念ではあるが)ゲイ男子に極めて近いのかもしれない。