アンタッチャブル第七話

テレビ朝日系。ドラマ「アンタッチャブル事件記者・鳴海遼子」。
脚本:橋本裕志。音楽:井筒昭雄。演出:唐木希浩。第七話。
一流週刊誌「国民ジャーナル」副編集長を辞してどういうわけか唐突に三流週刊誌「アンタッチャブル」編集長に就任した遠山史朗(要潤)は、(ここでの毎週の感想文に今まで記してきた通り)第一話から第四話までは大して怪しくもなかったのが第五話からは急速に怪しさを増していたが、それには理由があったと判明した。彼は当初(まさしく第四話まで)は確かに日本福祉募金振興会の「闇」を追及しようとしていたが、やがて同会の使者「名無しの権兵衛」から脅迫を受け、身近な人々の生命を守るため敢えてその手先へ転じていたのだ。なるほど一応は肯ける真相だろう。第一話から第六話までの描写と照合しても矛盾していないと思われる。
他方、今度は鷹藤俊一(佐藤智仁)の怪しさが急増してきている。彼の本姓が「梨野」であることは露骨に「名無しの」との関連性を感じさせる。関連して押さえておくべきは、遠山史朗が「誰かが僕を『名無しの権兵衛に仕立て上げたまま殺そうとしているんじゃないか」と恐れていたことだ。なにしろ遠山を最も強く疑っていたのは鷹藤俊一に他ならなかったからだ。
だが、忘れてはならないのは、鷹藤俊一は「「名無しの権兵衛」の正体としてもともと第五話までは同僚の城之内仁(酒井敏也)を疑っていたことだ。彼は真実を何も知ってはいないように見受けるのだ。
ここにおいてもっと怪しい人物として浮上するのは、またしても警視庁公安部刑事の鳴海洸至(小澤征悦)と、部下の片山保(辻谷嘉真)の二人組だろう。実際、鳴海遼子(仲間由紀恵)に極秘の情報を提供することによって、先ずは遠山史朗へ疑惑の眼を向けさせ、次いで鷹藤俊一へ疑惑の眼を向けさせているのは彼等に他ならない。
中原誠田中要次)は、先週までは「鍋祭」以外には何の役割も果たそうとはしていなかったが、今回は一転、何と!窓の外を見詰めながら考え事をするという予想外の行動に出た。極めて怪しい。鷹藤俊一と城之内仁も「鍋祭」に便乗したのか、CM中に新機能の車に乗って謎の取材に走った。