重陽後一日/公卿補任

九月十日、重陽後一日。天神こと「菅公」、菅原道真の余りにも著名な九月十日の詩を想起しよう。「去年今夜侍清涼。秋思詩篇独断腸。恩賜御衣今在此。捧持毎日拝余香」(去にし年の今夜清涼に侍りき。秋の思ひの詩編独り腸を断つ。恩賜の御衣は今此に在り。捧持ちて日毎に余香を拝す)。
午後、休暇を取って図書館に行き、色々調べもの。例えば、朝廷の高級貴族(公卿)の人事について年毎に記録した史料である「公卿補任」を、江戸時代後期の数十年間に関して調べ、或る事実が確かに「存在しない」ことを確認したり。その事実が存在しないことを予め想定していたのだが、その「存在しない」ことを確定するためには実際に史料に当たらなければならない。何だか空しい作業のようだが、一応は結果を出せたことになる。