仮面ライダーオーズ第二話

東映仮面ライダーオーズ/OOO」。
第二話「欲望とアイスとプレゼント」。
各話の題は三つの単語から成るのが、この番組の規則であるようだ。そして各話の要約も三つの出来事によって説明されるらしい。前回の話を構成する三つの出来事は「メダルの怪人が誕生」、「流浪の男、火野映司が謎の腕アンクと遭遇」、「映司、オーズに変身した」。
謎の流浪の青年、火野映司(渡部秀)は、海外のどこかの戦地に滞在したとき、戦火に巻き込まれた子どもの悲しみを目の当たりにして、その不条理への怒りから、身の危険を顧みず他人の生命を救うため行動するようになったと見られる。その無謀なまでの行動力は仮面ライダーに変身するには相応しい。普段の陽気で長閑な性格との対比においてそれが強く印象付けられる。アンク(三浦涼介)が路上のアイスキャンディー屋から商品を受け取って代金も払わずに去ったとき、慌てて火野映司が自身のパンツの中のなけなしの小銭で支払ったのも、同じように、正義感とか責任感とか云うよりも何と云うかもっと真直ぐな、人を悲しませたくないという思いに発した行為と見てよいかもしれない。
鴻上財団の後藤慎太郎(君嶋麻耶)が三つの「誕生日プレゼント」を火野映司に届けた。一つは、立派な箱に収められていた大きな剣。一つは、自動販売機にメダルを入れたらその機械が変形して出現した大きなバイク。そして一つは、後藤慎太郎が乗っていたバイクが変形して出現した自動販売機に、メダルを入れたら出てきた大量のジュース缶が、さらに変形して出現したタコ型ロボットの大群。
ことに素晴らしく目覚ましかったのは、回転しながら飛翔し、天空に自在に陣形を組んでみせたタコ型ロボット「タコカンドロイド」の大群の大活躍。空中に整列して長大な道を作り、その上に仮面ライダーオーズのバイクを走らせ、高層建築の上層階にある事件現場まで彼を届けたり、その高層建築から仮面ライダーオーズが墜落したときにも、再び群を成して命綱を作り、彼を救出したり。実に健気だった。
火野映司役の渡部秀は、横顔と云うか、横から見た胸像が案外よい感じに見える。なぜなら華奢に見える顔立と意外に太い頸と厚い胸との調和が絶妙で美しいから。顔は村井良大溝端淳平小山慶一郎を足して三で割った感じだろうか。無欲恬淡な雰囲気は村井良大の小野寺ユウスケに近い。