橋田寿賀子ドラマ渡る世間は鬼ばかり第十部第二話

TBS系。橋田寿賀子ドラマ「橋田壽賀子ドラマ渡る世間は鬼ばかり」。
最終部=第十部第二話。
本間常子(京唄子)が復活した。声は時々濁りがちではあったが、前回の病み上がりの痩せ衰えてやつれ果てて嫌味しかない姿からは一転、姿勢を正し、決断の速さを発揮して今後の本間一家の進路について方向を定めた。その決断とは、意外にも本間長子(藤田朋子)の提案を受け入れ、岡倉家の庇護下に入ることに甘んじるということに他ならなかった。嫁の実家の前に屈することを潔しとしなかった誇りと意地と強情の人だった本間常子がそのように意を決した事実には誰もが驚かざるを得なかったが、これは本間家の没落を目の当たりにして敗北を認めたのではない。むしろ神林守弘(山口良一)からの圧迫を撥ね退け、本間家を再興して皆を見返してやるために敢えて暫時は岡倉家を利用するつもりであるのだろう。同時に、長男の本間英作(植草克秀)に改めて病院を開業させ、己もその助手となることに生き甲斐を見出そうとしているのだ。
小島家ラーメン店「幸楽」では、居候の野々下加津(宇野なおみ)が新設される野々下家へ移居するに際し、別れ際の小島五月(泉ピン子)に、己の心の内には永らく小島眞(えなりかずき)への恋心の秘められてあることを告白した。小島眞は野々下加津に対し、先にシャワーを浴びてくるよう命じなければならないだろう。