新番組-デカワンコ第一話

今宵からの新番組。
日本テレビ系。土曜ドラマデカワンコ」。第一話。
傑作になりそうな予感を抱かせた第一話。大いに楽しめたが、楽しさの何分の一かは「太陽にほえろ」の劇伴の主題に基づく小西康陽の音楽の力で倍増されていたろう。特に、往年のフリッパーズギターの「恋とマシンガン」を想起させる洒落た感じの編曲版が面白かった。
警視庁刑事部捜査一課第八強行犯捜査の殺人捜査第十三係に新たに配属されたばかりの花森一子(多部未華子)が初めて関与した事件で、しかも初めて逮捕した犯人は、職場において最も頼りにしていた五十嵐太一(佐野史郎)だった。主人公の一番の指導者が第一話で直ぐに退場するのか?と驚いたが、どうやら今後も拘置所にありながらも一番の相談相手を続けるらしい。凄い設定だ。
とはいえ、この、最も頼りにしている相手を自ら逮捕しなければならないという事態は、刑事ドラマ等にはよくある話であるかもしれないし、また、新人刑事の率直で純粋な正義感が、熟練のゆえに本来の正義感をやや見失っていた刑事に初心を想い起こさせるという展開も、刑事ドラマ等には不可欠の話であるかもしれない。劇中で使用される音楽が「太陽にほえろ」のパロディであるのはもちろんのこと、同僚を渾名で呼んだり暴力団を相手に派手な銃撃戦を繰り広げたりしたところ等も含めて、往年の刑事ドラマのパロディとして作られているのだろうが、同時にそれを劇中で茶化してもいて、喜劇として親切な作風であるかもしれない。
出演者の年齢層が少々高めである中、新人刑事の花森一子と、一年だけ先輩の桐島竜太(手越祐也[NEWS])の二人は大人たちの中に混じった子ども二人みたいに見えて、その効果と云うべきか、花森一子が刑事離れした変なことをやっても違和感なく許される感じに見えるのも面白い。