渡る世間は鬼ばかり第十部第四十七話=最終回

TBS系。橋田寿賀子ドラマ「橋田壽賀子ドラマ渡る世間は鬼ばかり」。
最終部=第十部第四十七話=最終回。
夜九時から約二時間にわたり放映された今宵の話は、二十年間以上も続いた長編ドラマの一応の結末であり、通算五百回目にあたるとか。しかるに長大な物語の結末とは思えない程に、殆ど何も「終わり」を迎えなかった話であると云えるかもしれない。
そうした中で辛うじて三つの結末があった。一つ目は、米国で生活していた小島キミ(赤木春恵)が日本の東京へ帰郷し、小島家ラーメン店「幸楽」へ帰宅してきたこと。二つ目は、既に成就していた小島眞(えなりかずき)と大井貴子(清水由紀)の奇妙な恋の物語が、結婚式を挙げるという形で漸く完全に決着を見たこと。実のところ今宵のこの最終回は、二時間もの放映時間の殆ど四分の一もの時間を、その結婚式の様子を描くためにのみ費やした。この長編ドラマは結局、小島眞の成長を描いてきた物語として結ばれたようなものだったのだ。とはいえ、結婚式という目出度い場に、あらゆる敵対関係や利害関係を乗り越えて多くの人々が揃い、談笑した光景は、壮観とは云えないまでも、なかなか面白くはあった。
この結婚式の場は、一つの物語の舞台の上で別の物語も繰り広げられていたという点において、云わば源頼朝の富士巻狩のようではあった。なぜならこの結婚式に出席していた長谷部まひる(西原亜希)が、同じテーブルに着いていた森山壮太(長谷川純[ジャニーズJr.])に結婚を申し込み、目出度く両名の恋も成就するに至ったのだからだ。それが今宵の三つ目の結末に他ならない。