新番組=木村拓哉主演ドラマ南極大陸第一話

今宵からの新番組。
TBS開局60周年記念。日曜劇場「南極大陸」。第一話。
全く期待しないで見てみたのだが、予想外に面白かったので驚いた。木村拓哉主演ドラマ史上最高傑作になるかもしれないとさえ思われた。
ことに、南極観測船宗谷」の建造をとてつもない短期間で無理矢理に進めていたのが失敗して負傷者まで出して、南極観測の事業それ自体が頓挫しかけたとき、大勢の職人たちが建設現場へ駆け付けて建造のために協力を惜しまない旨を明らかにし、南極観測隊一同に奮起を促した場面は、所謂「ベタドラマ」のように出来過ぎた話ではあったかもしれないが、それでも不覚にも涙が出た。
倉持岳志(木村拓哉)と犬塚夏男(山本裕典)との間の、歳の差を超えた友情と連帯とか、倉持岳志と氷室晴彦(堺雅人)との間の、何とも一筋縄ではゆかなさそうな信頼と敵対心とか、普通のドラマとして見ても存分に楽しめそうな要素も数多かった。
しかし何といっても、昭和の敗戦から早十年を経て漸く日本が復興しようとしていた時期の、国民の意地と工夫を描くということ自体が、相次ぐ天災と人災で疲弊した今日の日本への激励にも繋がるという意味において実に時宜を得た番組であると云わなければならない。戦後復興のナショナリスティク浪漫主義を、今こそ甦らせる必要があるに相違ない。