仮面ライダーフォーゼ第二十一話

仮面ライダー生誕40周年記念作品「仮面ライダーフォーゼ」。
第二十一話「進・路・誤・導」。
天ノ川学園高等学校にゾディアーツが出現して生徒たちに迷惑をかけ始めたとき、如月弦太朗(福士蒼汰)は仮面ライダーフォーゼに変身して戦闘を始めるが、まもなく自称「臆病」な朔田流星(吉沢亮)がどこかへ逃げ、やがてメテオが出現する。朔田流星の逃走とメテオの出現は常に同時に発生し、両者が同時に姿を見せることはない。ゆえに両者を結び付けるのが自然な発想であるはずだが、今のところ仮面ライダー部の歌星賢吾(高橋龍輝)も城島ユウキ(清水富美加)も風城美羽(坂田梨香子)もJK=ジェイク(土屋シオン)も大文字隼(冨森ジャスティン)も野座間友子(志保)も、そのようには考えていないらしい。朔田流星の逃走を、メテオの出現ではなく、戦闘の開始と結び付けているに過ぎない。
そうした中で如月弦太朗=フォーゼは戦闘の只中に「学園と地球の自由と平和を守る仮面ライダー部だ!な?」とメテオに急に同意を求めて、メテオからは「俺を一緒にするな!」と反応されてしまっていたが、如月弦太朗のこの言は、仮面ライダー部の一員である朔田流星をメテオに見ていることの表れであるのか、それとも単に、同じ仮面ライダーである点でメテオを仲間として見ているだけであるのか。
如月弦太朗の志望する進路は「一直線」。
そして彼は新たに着任した二年B組担任教諭の宇津木遙(長澤奈央)から、顔に鋭く蹴りを入れられそうになる場面が二度あって、その度に前髪の、鋭角に尖った逆三角形のように整えられた奇妙な型(自称「リーゼント」)を乱されていたが、あれを見るに彼はやはり前髪を自然に下ろした方が断然よい。変な髪型で曇らされている本来の美形度が見えてくるから。とはいえ変な髪型は如月弦太朗という人物の像の一部であるし、乱れた前髪を変な形に整えるときの手の仕草と顔に色気がある。
この前髪については興味深い事実が判明した。如月弦太朗が何か重要なことに思い至ったとき、あの変な前髪には電力のようなものが発生するらしい。歌星賢吾に云わせれば単なる静電気に過ぎないが、如月弦太朗自身に云わせると「気になることがあると、ここにビビビッと来るんだ」。今回、前髪にその異変が発生したとき彼は両腕をV字型に上げて「キター!」と叫んでいた。無論「宇宙キター!」と同じ型。
フォーゼに変身した直後の「宇宙キター!」に関しては今回、意外な形を見ることができた。如月弦太朗がいつものように両腕をV字型に上げてそれを云おうとした瞬間、歌星賢吾から電話連絡が入って、急遽それに応答するために「宇宙キター!」が未遂に終わったのだ。