仮面ライダーフォーゼ第四十七話

仮面ライダー生誕40周年記念作品「仮面ライダーフォーゼ」。
第四十七話「親・友・別・離」。
歌星賢吾(高橋龍輝)は「かぐや姫」であると判明した。人間である歌星緑郎(風間トオル)の子ではなく、むしろ、彼の正義を証明して我望光明(鶴見辰吾)の野望を打ち砕き得るためであるかのように、宇宙の知性「プレゼンター」が贈ってきた宇宙の子に他ならなかった。
月面で如月弦太朗(福士蒼汰)が歌星賢吾との別れを惜しみつつ、再会を約し、永遠の友情を誓い、フォーゼに変身するためのベルト「フォーゼドライバー」を歌星賢吾へ手渡していた間、二人の傍になぜかメテオ=朔田流星(吉沢亮)があたかも審判員のように立っていて一部始終を見守っていたのは、メテオの青い球形の結界によって如月弦太朗を保護し、地球へ連れて帰るためだった。月面でフォーゼから正体へ戻った時点で、メテオが如月弦太朗を保護しているらしいことは推察できたが、そもそもメテオの青い球形の結界にそのような役割があることを、視聴者の誰一人、この瞬間まで知らされてはいなかったのではないのだろうか。
それにしても、射手座ゾディアーツ=我望光明に対して、その野望を打ち砕き得る力を具えた「コアスイッチ」の子、「コアチャイルド」の歌星賢吾が、「選ばれし者」を僭称する我望光明が実際には「選ばれし者」でも何でもないこと、我望光明も自覚できているはずであること、そして真に「選ばれし者」であるのは「コアチャイルド」である歌星賢吾であることを冷酷にも宣告したとき、我望光明が「云うな!」と叫んで激怒したのは、何とも滑稽で物悲しかった。たとえ歌星賢吾がこのことを云わなかったとしても、このことの真理性が消えるはずがなく、軽減するはずもないが、それでも我望光明は真実を明言されて惨めな気分になりたくはなかったのだろう。