新番組=仮面ライダーウィザード第一話

今朝からの新番組。
平成「仮面ライダー」第十四作「仮面ライダーウィザード」。
第一話「指輪の魔法使い」。
今日から始まった新たな仮面ライダー物語の主人公は、街を守る以上にむしろ人間を守る力を持つ。悪い奴等によって絶望の淵に追い込まれ、精神の内側から破壊されようとしている人間の胸中に入り込み、その人間の心身を支えている精神世界の核まで潜り込んで、そこで暴れている化け物を退治して、魔力を消し去り、その人間を絶望から救い出してみせるからだ。
冒頭から謎めいて始まった謎めいた一話だったが、不可解ではなく、むしろ今後の展望を簡潔に指示してみせたような明快な話だった。
現実世界とは異なった要素を具える物語を見てゆくためにはその設定の解説が不可欠だが、今朝の物語はそうしたことを実に簡潔に明かしてくれた。劇中の台詞をいくつか選んで書き起こすだけで説明が事足りる程。書き出しておこう。
仮面ライダーウィザードに変身する謎の魔法青年、操真晴人(白石隼也)の言によると、「世の中には魔力の高い人間、ゲートって呼ばれる人間がいる。そのゲートの命を奪って生まれる魔力の塊。それが奴等ファントムさ」。
他方、ファントム陣営を指揮しているらしい主要ファントムのメドゥーサ(中山絵梨奈)の言によると、「我々ファントムのなすべきことは、ゲートを絶望の淵に追い込み、新たなファントムを生み出すこと」。「ワイズマンが再びサバトを開くためにね」。
そして、操真晴人が魔法青年と化してウィザードに変身できる力を得た事情にはどうやらこのサバトが何か因縁を有しているらしいこと、そこには深い絶望があったに相違ないことは、今のところ説明されてはいないが、操真晴人の胸中の回想を表した示唆的な映像によって想像させられた。魔法を使い得ることの理由として彼の放った「俺も体の中にファントムを一匹、飼ってっから」という言もそれを裏付け得る。
その上で彼、操真晴人は云ったのだ。「魔法があるから絶望しないんじゃない。絶望しなかったから魔法を手に入れることができたんだ」。そしてさらに云ったのだ。「俺があんたの希望になってやるよ」。
これら一連の説明を終えて、物語の主題の言明かとも聞こえるこの「俺があんたの希望になってやるよ」という颯爽とした言を放って以降、ドラマは一気に面白さを増して格好よさを加えていった感がある。操真晴人の細くて流麗な体型の気取った動作や姿勢も上手い効果を上げていた。