仮面ライダーウィザード第五話

平成「仮面ライダー」第十四作「仮面ライダーウィザード」。
第五話「決戦のコンクール」。
ケットシー(ベルナール・アッカ)は楽しくて憎めないファントムだったが、呆気なく倒されてしまった。何となく残念でさえある。
ケットシーの敗北が早かったことの原因の一つは、ケットシーに狙われていたゲートである音楽学生、高木栄作(佐藤永典)が絶望に陥ることなく自力で希望を見出して、見事に立ち直り得たことにあったろう。思うに恐らく、たとえファントムがどんなに奮戦し得ようとも、ゲートが絶望を回避し得た場合には、ファントムの努力は全て無意味に終わるに相違ない。
とはいえ、ゲートが絶望に陥るのを回避して、ゆえにファントムの餌食になるのを免れたということは、幸か不幸か、ウィザード=操真晴人(白石隼也)の力で体内から魔力を消去してもらう機会には恵まれなかったということで、ゆえに今後も別のファントムに標的にされかねないゲートであり続けるということではないのか。
他方、ケットシーの敗北を早めた原因として、ウィザード=操真晴人が本来の十全の力を回復したという点も大きかった。欠乏した魔力は一晩の充分な休息の末に完全に回復された。ウィザードの大軍勢に分身し得る程の魔力が発揮された。
しかるに同時に、微妙に暗雲が立ち込めてもいた。なぜならファントム陣営の大将であるメドゥーサ(中山絵梨奈)は、自ら既に始末しておいたはずのコヨミ(奥仲麻琴)が蘇生して今も健在である事実を知らされた瞬間、この「魔力で動く只の人形」に魔力を供給しているのがウィザードであるに相違ないと見破ったからだ。