パーフェクト・ブルー第二話

宮部みゆきミステリー「パーフェクト・ブルー」。第二話。
主人公の通っているBAR「ラ・シーナ」の若い店員、諸岡進也(中川大志)の今週の出番は二度あった。
一つ目は番組開始後二十五分ばかり経過した辺からの約六秒間。昼間、劇中の警察署の前の路上。二つ目は番組開始後三十分ばかり経過した辺からの約二分十八秒間。BAR「ラ・シーナ」の店内。
前者の場面においては、主人公の蓮見加代子(瀧本美織)が警察署から釈放された藤堂公久(平岡拓真)を身元引受人として出迎えた際、彼の母の自首という事実に反する事態に怒って真相を突き止めるため、自身を無実の罪で陥れようとした人物を探し出すべく走り出した彼を蓮見加代子は追いかけて走り始めたが、そんな両名の後姿を、進也は偶々目撃していた。
手にはスーパーマーケットの袋か何かを下げていたから、買物からの帰り道だったのだろう。店のための買物か、それとも自身の昼食のための買物か。
後者の場面においては、蓮見加代子が店で夕食を摂りながら現在取り組んでいる事件について語ったのを聴いて、進也は「加代ちゃん」が昼間から「公久」を追いかけ続けていた事実に驚いたが、このことは同時に、蓮見加代子に追いかけられている人物の姿を見てそれを藤堂公久と認識できる程度には、藤堂公久について知っていることを物語った。ここから彼からの重要な情報提供が始まった。
中学生である藤堂公久が母を助けたくて家計を支えるために駅前の居酒屋で働いていること、その事実が発覚すれば店に迷惑をかけること、そのゆえに彼が自身のアリバイを証明しようともしなかったに相違ないことを進也が述べたとき、この見解を聴いた蓮見加代子の妹、蓮見糸子(高橋春織)は店主の椎名悠介(寺脇康文)に、「こっちのお子ちゃまは大丈夫?」と訊ねた。「お子ちゃま」と形容された進也は「嫌だね、オバサンは。心配性で」と云い返した。両名が互いをこのように形容し合うのは店内では馴染みの展開であるらしいと見受ける。
それにしても、同じ夜の同じ頃に同じ公園で隣接して発生した殺人事件と動物虐待事件。それぞれの加害者がそれぞれ前島文成(山崎一)と前島智之(根岸泰樹)で、前者の被害者が藤堂治夫(住田隆)、後者で誤認逮捕されたのが藤堂公久。二つの事件の加害者が親子、被害者も親子。しかるに二つの親子の間には事件の瞬間までは何の縁もなかったという不条理。出来過ぎた話の理不尽という稚拙。
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