Fate/Zero

二〇一一年十月から昨年六月にかけて東京MX等で放映され、併せてインターネット上でもニコニコ動画に公式チャンネルを設置して公開された(そして現在も公式チャンネルで有料で公開されている)テレヴィアニメ番組「Fate/Zero」を、開始から間もない二〇一一年十一月から、若い人に勧められて視聴し始めていたものの、同年十二月初旬に公開された第九話までで中断してそのまま放置してしまっていたが、今日、ようやく第十話から最終話の第二十五話まで十六話、「2ndシーズンPV」まで含めた動画十七本を一気に見た。
一年以上も前に見るのを中断していたのを急に再開したわけであるから、登場人物等の設定を想起するのも大変だった上、これの元の話「Fate/stay night」を全く知らないので最後まで今一つ判らない部分を残したが、それでも何となく「大体わかった」ような気がするし、楽しめた。一挙に見ても印象に残ったのは結局、「ライダー」とも「征服王」とも呼ばれるイスカンダル(=アレクサンドロス大王)と、魔法少年ウェイバーとの間の、友であり君臣であることの誓いの篤さ、熱さ。
イスカンダルが、己の戦争と生の全てを見届けて後世にも語り伝えようとしてくれていた少年ウェイバーを、大切な「臣下」として認め、同時に「友」として認めたのは実に深い。なぜならイスカンダルの学問の師アリストテレスは「二コマコス倫理学」において社会を支える最も大切な条件として「友」を論じたことで知られるからだ。「なぜなら友とはもう一人の自己に他ならないからだ」(heteros gar autos ho philos estin)[アリストテレース『ニコマコス倫理学』1170b6-7]。
それにしても、「アーチャー」とも「英雄王」とも呼ばれるギルガメシュが余りにも強過ぎるのではないだろうか。他の「英霊」を圧倒し過ぎて、殆ど戦いにもならない。